日本生産性本部は7月16日、新型コロナウイルス感染症が組織で働く人の意識に及ぼす影響についての継続調査(第6回「働く人の意識調査」)結果を公表した。同調査は、20歳以上の日本の企業・団体に雇用されている人1,100名を対象に実施したもの。

今回の調査結果から、雇用者は経済見通しや勤め先の業績不安の軽減などで明るい兆しを感じている一方、コロナ禍収束後の社会・経済の変化に懐疑的な傾向が強まっていることが明らかになったという。

テレワーク実施率は変わらず2割程度で推移しているが、テレワーカーの週当たり出勤日数は増えてオフィス回帰が進んでおり、日本生産性本部は「テレワーク疲れ」を注視する必要があると指摘している。

働き方の状況を聞いたところ、2021年7月調査では、いずれの働き方も4月調査からわずかな変化にとどまった。テレワークの実施率は4月調査の19.2%か20.4%へとわずかに増加しているが、1%水準・5%水準いずれで見ても統計的有意差はないという。

  • テレワークの実施率 資料:日本生産性本部

しかし、テレワーカーの直近1週間における出勤日数を見ると、週当たり「0日」すなわち完全テレワークを行った割合は11.6%で、過去6 回の調査で最も少なくなっている。4月調査の18.5%と比較すると5%水準で統計的有意な差となっている。

完全テレワーカーの雇用者全体に占める割合(テレワーク実施率×週当たり出勤日数0日の率)は、減少傾向が続いており、2021年1月:4.7%、同年4月:3.6%、同年7月:2.4%と、今回初めて3%を下回った。2020年5月調査では10%を上回っていたことを考えると、テレワーク実施率以上に、実施日数の面から、オフィスへの回帰が進んで いることがわかるという。

  • 直近1週間(営業日ベース)の週当たり出勤日数 資料:日本生産性本部

テレワークの大多数を占める在宅勤務について、効率の向上を質問したところ、「効率が上がった」が4月調査15.5%から13.4%に、「やや上がった」が同43.6%から 36.8%にいずれも減少したのは、本調査開始後初めてとのこと。

  • 自宅での勤務で効率が上がったか 資料:日本生産性本部