ビール片手に、ビールにまつわるさまざまな知識をオンラインで学べるセミナープログラムがある。キリンホールディングスが開催している「キリンビールセミナー」だ。
ビールがもっと好きになる5講座
キリンビールセミナーは2000年から、キリンビール横浜工場でリアルイベントとしてスタート。2020年10月からはオンライン版も始まり、現在では計5種の講座を展開している。今後も随時講座を拡充予定という。
講座が目指すのは、ビール文化の醸成。ビールに興味を持てる、もっと好きになるきっかけを提供する。キリンの商品にこだわらず広くビールを紹介していることが特徴で、ビギナーから通までビール好きならだれでも楽しめる内容となっている。
8月開催から新たに加わったのは、「知っておいしい! ビールのつくり方講座」(2名1組/4,000円)。ビール製造の各工程を丁寧にひもとき、原料やつくり方によって生まれるビールのさまざまな味わいの秘密に迫る。2名で8銘柄のビールをシェアしながらセミナーを楽しむことができる。
そのほか、ペアリングについて知る「ビールをおうちでもっと楽しめる! ペアリング講座」(3,000円)、ビールをもっとおいしくするコツ「あなたもできる! おいしいビールの技術講座」(3,000円)、世界のビールの成り立ちを体系立てて学べる「おうちで楽しむ世界のビール」(2名1組8,000円)、クラフトビールの今を紹介する「クラフトビールの楽しさ実感講座」(2名1組8,000円)が用意されている。
応募はいずれもキリンオンラインショップ「DRINX」の特設サイトから(先着順)。Zoomでの開催で、開催日の約1週間前に参加URLが送られてくる。講座に使用するビールや食材、グラスなども家に届く。
ビールについて学びながら飲む
このほどメディア向けに開催された体験版に参加してきた。実際の講座とは異なり、「おうちで楽しむ世界のビール」「クラフトビールの楽しさ実感講座」をかけ合わせた短縮版となる。
講座では、「スタウト」「ペールエール」「IPA」など世界には150以上もの多様なビアスタイル(ビールの種類)があること、ホップビールやピルスナービール誕生の歴史、現在の進化などについて解説してもらった。
ビールは、発酵の違いで「ラガー」「エール」「自然野生酵母」の3種類に分けられる。ドイツに多いラガーはキレがあり爽やか、イギリスに多いエールは華やかで香り高いビールが多いのだとか。家に届いたビールを試飲。「キリンラガービール」でラガーの味を、「インドの青鬼」(ヤッホーブルーイング)でエールの味を確認する。
アメリカでさまざまな国の人々が始めた自国の伝統的なビール造りに、独自要素が加わり広がった「クラフトビール」。ニューヨークNO.1の醸造所(2020年米国Brewer's Association調べ)であるブルックリン・ブルワリーの「ブルックリンラガー」を試飲した。かつてニューヨークで人気があった、麦芽100%のアンバーラガーを復活させたもの。ドイツ生まれアメリカ育ちの味。
日本でも、日本ならではの素材を使うなど新たなビール文化が生まれているのだそう。特に豊富なのが、特産のフルーツを使用してつくられたフルーツビール。宮崎特産 日向夏を使用したフルーツビール「九州CRAFT 日向夏」(宮崎ひでじビール)を試飲。フルーティーで爽やかな味わいが新鮮。
クラフトビールの入り口として、コンビニやスーパーで気軽に試せる「SPRING VALLEY 豊潤<496>」も。クラフトビールは要冷蔵のものが多いが、常温でも品質が保たれて保管が可能なところや扱いやすい缶であることも、手が届きやすい理由の1つなのだそう。IPAのような香りや苦みが楽しめつつ、ラガー酵母を使用しているためキレのある味わいが特徴。
解説を聞きながら実際に飲んでみると、「この味がそうなのか」と頭に入ってくる。何より楽しい。新しいビアスタイルや商品との出会いのきっかけにもなりそうだ。ビール好きはセミナーに参加してビール愛をより深めてみてはいかがだろうか。