インテージは7月13日、コロナ禍を経た生活者の「住まい」に関する調査結果を発表した。調査は2月24日~26日、20~69歳の男女1,023名(男性512名、女性511名/エリア・性年代・未既婚構成比は人口統計にあわせて回収)を対象にインターネットで行われた。

  • 居住エリアを選択する際の重視点の変化

    居住エリアを選択する際の重視点の変化

はじめに、居住エリアを選択する際の重視点が、コロナ禍を経てどう変化したのかを調べたところ、今の住まいを選ぶ際には、「通勤・通学範囲」(41.9%)を重視する人が最も多かったが、次の住まい選択では6.6ポイント減の35.3%で3位に後退。一方、次の住まいのエリア選択で最も多くの人が重視しているのは「買い物が便利」なこと。今の住まい選択時に比べ20.1ポイントも高い52.2%となった。

また、「病院・医療機関に通いやすい」に関しては、今の住まい選択では10位だったが、次の住まいでは18.6ポイント増で5位(29.4%)に浮上。外出機会が減り、リモートワークやオンライン授業も広がる中、在宅時間が増えて買い物や通院も自宅の近くで済ませられることへのニーズの高まりが見て取れた。

  • 住まいの設備や条件に関する重視点の変化

    住まいの設備や条件に関する重視点の変化

次に、住まいの設備や条件に関する重視点の変化について調査を行った。

今の住まい選択時に重視した点と、次の住まいを選択時に重視する点の回答率の差を算出した結果、次の住まいでの重視点回答率が最も増加した項目は「耐震性・免振性能」(18.0pt増)。次いで「防音、遮音性能」(12.1pt増)、「セキュリティー」(11.4pt増)、「断熱性能」(8.9pt増)と続き、安全性や堅牢さといった項目が上位を占めた。

また、コロナ禍を経て、以前より重視されている項目の顔ぶれを、回答者全体とリモート勤務者とで比較したところ、リモート勤務者で増加した重視点のトップは10.1ポイント増の「宅配ボックス、ネット回線などの付加設備」。次いで「日当たりの良さ」「収納力」も10ポイント近く増加し、仕事場としての快適さに関連する項目が上位となった。

  • 理想の暮らし方(リモートワーク状況別)

    理想の暮らし方(リモートワーク状況別)

前問にて、リモートワーク実施者に、住まいの設備や条件に対する重視点に全体とは違った志向が見られたことから、暮らしの拠点としての住まいにどのような価値観があるのかを探るべく、「理想の暮らし方」として最も近いものを選んでもらった。

その結果をリモートワーク状況別に比較したところ、リモートワーク率が高いほど、「2~3箇所を行き来して暮らしたい」意向が高く、主に在宅勤務している人では3割を超える結果に。一方、完全にオフィス・現場勤務の人では13.8%にとどまり、「1か所に定住して暮らしたい」が8割にのぼった。