役所で発行してもらうような書類を取得しなくてはいけなくても、平日の日中は仕事などでなかなか時間をとれないという方は多いでしょう。そんな時に活用したいのが、コンビニの行政サービスです。コンビニの行政サービスでは、利用時間内に必要書類を持っていけばいつでも証明書を発行できます。
今回は、コンビニでの「印鑑証明」の発行方法について解説。印鑑証明とはどのような書類なのか、またコンビニで発行する際の注意点などを紹介します。
印鑑証明について
印鑑証明とは、印鑑登録した印鑑が本物であることを証明する書類です。正式な名称は「印鑑登録証明書」という名前で、印影と氏名、住所などが印刷された紙が発行されます。実印を使った押印と印鑑証明があることで、契約を結ぶ際に「本人が実印を使って押印した」ということを証明できるのです。
印鑑登録証とは何が違うのか?
印鑑登録をすると、「印鑑登録証」という書類も手に入れることができますが、印鑑証明とは全くの別物になります。印鑑登録証は、印鑑を登録した時にもらうカードのことで、印鑑登録証かマイナンバーカードを使うと印鑑証明書を発行することができます。なお、契約を結ぶ際に求められる書類は印鑑証明です。
印鑑証明に有効期限はあるのか?
一度発行した印鑑証明には有効期限はありません。ただ、契約を結ぶ際に「○ヶ月以内の印鑑証明」と指定が入ることもあり、古い印鑑証明だと提出書類として無効な場合もあります。期限の指定をされた際には、新しく印鑑証明を取得するようにしましょう。
印鑑証明の発行の仕方について
印鑑証明を発行するには、印鑑登録証かマイナンバーカードが必要になります。発行できる場所は、役所の窓口かマルチコピー機が設置されているコンビニのいずれかです。役所の窓口に行く場合は、本人を証明できる書類を一緒に持って行きましょう。
コンビニで印鑑証明を発行する際に使える書類は、マイナンバーカードのみです。なお、マイナンバーカードは役所でもコンビニでも代理人が使用することはできないので注意してください。
印鑑証明をコンビニで発行するのに必要なもの
コンビニではマイナンバーカードを使って印鑑証明を発行できます。コンビニで印鑑証明を発行する時には、マイナンバーカードと発行にかかる手数料を準備しましょう。
先述の通り、印鑑登録証では発行できないので注意が必要です。加えて、マイナンバーカードを使った手続きは本人のみに限られているので、代理人にコンビニで印鑑証明を発行してもらうことはできません。
コンビニ交付とは
コンビニ交付とは、マイナンバーカードか住民基本台帳カードを使って、コンビニで市区町村から発行される証明書を取得できるサービスのことをいいます。なお、発行時にはマルチコピー機を使うので、設置されていないコンビニで発行することはできません。
市区町村によっても取得できる書類は異なるので、事前に取得可能な書類を確認しておくとスムーズでしょう。ここからは、コンビニ交付のメリットについて解説していきます。
人目に触れずに書類が取得できる
人の出入りが多いコンビニですが、操作を行うのはマルチコピー機のみになります。レジを通すわけではないので、役所よりも人目に触れずに書類を取得可能です。そういった意味では、安全性を実感できるかもしれません。
必要書類の取り忘れ防止機能つき
マイナンバーカードや発行された印鑑証明など重要な書類を取り忘れてしまうと、悪用されたり、トラブルに巻き込まれたりしてしまうかもしれません。そのようなことにならないため、マルチコピー機ではアラーム音や画面の表示などで必要書類の回収を促します。音と画面で知らせてくれるので、取り忘れはかなりの確率で防げることでしょう。
偽造や改ざん対策が徹底している
コンビニで発行される証明書は、A4サイズの普通紙に印刷されたものになります。この普通紙には、偽造・改ざん対策が施されており、何かしらのトラブルに巻き込まれることを防いでいます。証明書の表面、裏面共に、けん制文字やスクランブル画像などの対策がされているそうです。
コンビニで印鑑証明書を発行する方法
コンビニで印鑑証明を取得する方法について、コンビニごとに解説していきます。マイナンバーカードと手数料を準備して、最寄りのコンビニで印鑑証明を取得できるようになりましょう。
セブン-イレブンで印鑑証明を発行する方法
セブン-イレブンで印鑑証明を受け取るときには、マルチコピー機を使います。マルチコピー機の「行政サービス」を選択してください。
画面が切り替わり、カードリーダーにマイナンバーカードか住民基本台帳カードをかざすように指示されます。
セブンイレブンの場合は、nanacoで支払いをする際に使うカードリーダーを使用するので、マイナンバーカードをかざして本人確認を済ませてください。
本人を確認できると、発行したい書類を選択できるので「印鑑証明」を選択し、印刷形式を選択しましょう。間違いのないように設定したら、手数料を支払い、印鑑証明を取得してください。なお、手数料は現金だけではなく、nanacoでの支払いも可能です。
ファミリーマートで印鑑証明を発行する方法
ファミリーマートで印鑑証明を取得する際も、マルチコピー機を使って操作していきます。
マルチコピー機の「行政サービス」を選択し、「証明書交付サービス(コンビニ交付)」を選択してください。
ご利用上の注意事項を確認したら、マイナンバーカードか住民基本台帳カードをかざすよう指示されます。
該当の場所にマイナンバーカードをかざし、本人認証を行います。
本人確認が完了すると、発行したい書類やその形式を選択する画面に移るので、「印鑑証明」を選択してください。間違いのないように形式などを指定したら、手数料を支払い、印鑑証明が印刷されるのを待ちましょう。
ローソンで印鑑証明を発行する方法
ローソンでの取得の際もマルチコピー機を操作していきます。マルチコピー機のトップ画面から、「行政サービス」を選択します。
画面が切り替わり、マイナンバーカードか住民基本台帳カードの提示を求められます。
該当の場所にマイナンバーカードを置いて、本人であることの認証をしてください。
本人確認が済んだら、取得したい書類と形式を指定して、料金を支払います。「スタート」ボタンから印刷を始め、終了したら忘れ物がないか再度確認しましょう。
ミニストップで印鑑証明を発行する方法
ミニストップでのマルチコピー機を使った取得方法を紹介します。
トップ画面から「行政サービス」を選択してください。行政サービスの画面が切り替わり、マイナンバーカードか住民基本台帳カードをかざすように指示されます。該当のカードリーダーにマイナンバーカードをかざし、本人であることを証明します。
正常に本人確認が進むと、取得したい証明書とその形式の選択画面に移るので、「印鑑証明」を選択してください。支払いを行うことで印刷が開始され、印鑑証明を取得することができます。
コンビニで印鑑証明を発行する時の注意点
便利に活用できるコンビニの行政サービスですが、証明書を取得する際に気を付けておきたいポイントがいくつかあります。人の出入りが多いコンビニですから、重要書類の回収は慎重にならなくてはなりません。
暗証番号を間違えるとロックがかかる
コンビニで証明書を発行するためにはマイナンバーカードを使用しますが、暗証番号の入力を求められます。この暗証番号は、マイナンバーカードを発行する際に自分で決めた4桁の数字です。
もし、この数字を連続で3回間違えてしまうと、マイナンバーカードにロックがかかり、コンビニで行政サービスを利用することができなくなります。
利用できない期間がある
コンビニ交付を利用できるのは、午前6:30~午後11:00の間です。しかし、マルチコピー機のメンテナンスを行っているなど、店舗によっては利用できないこともあります。特に、年末年始は使用できなくなるコンビニも多いので、発行したい場合には、利用可能な期間や時間を調べ、早めに取得するようにしましょう。
書類の取り忘れに注意
マイナンバーカードも発行した書類も個人情報が記載されているので、絶対に忘れないようにしてください。多くの人が利用するコンビニなので、個人情報の入った書類をそのままにしていると、悪用されたりトラブルに巻き込まれたりする可能性があります。
回収忘れのないように音や画面で注意喚起してくれますが、自分自身でもしっかり確認することが重要です。
時間がなくてもコンビニで印鑑証明を取得できる
役所に行かなくても、マイナンバーカードを使えばコンビニで印鑑証明を取得することができます。しかし、印鑑を登録した際に発行される印鑑登録証では発行がでない点や、マイナンバーカードは本人しか使用できないという点には注意してください。
多くの人が利用するコンビニですが、犯罪やトラブルを防止する対策はされており、安全面は保たれています。とはいえ書類の取り忘れをすれば元も子もありません。行政サービスを利用する際には、書類の取り扱いに気を付けて利用しましょう。