マイナンバーカードはまだまだ活用し切れていない人が多いのが実情。しかし、マイナンバーアプリとともに活用すると、かなり便利なものなのです。マイナンバーカードがどんな手続きに対応していて、どんな風に便利になるのか、一度確認してみましょう。
この記事では、マイナンバーカードを活用するために役立つマイナンバーアプリとはどういうものなのか、対応機種、使い方などをご紹介します。
これからマイナンバーカードをつくる人や、マイナンバーカードをうまく活用できていない人は、ぜひ読んでみてください。
マイナンバーアプリとは
マイナンバーアプリとは、マイナンバーカードを使ったWebサービスを利用できる「マイナポータル」を使うためのスマートフォンアプリです。ここではマイナンバーアプリの概要をご紹介します。
■正式名称は「マイナポータルAP」
マイナンバーアプリの正式名称は、「マイナポータルAP」です。ダウンロードすることでマイナポータルをスマートフォンから利用できます。
■iOSまたはAndroidに対応
マイナンバーアプリはiOS版とAndroid版があります。OSが対応し、かつスマートフォンにマイナンバーカード読み取り機能が搭載されていれば、マイナンバーアプリを使えます。ただし、iPad、Apple Watchでは利用できません。
マイナンバーアプリの対応機種
iOSやAndroidを搭載しているスマートフォンでも、対応機種でなければマイナンバーアプリは使えません。ここからは、マイナンバーアプリの対応機種についてご紹介します。
■iOSの対応機種
iPhoneでマイナンバーアプリをインストールするには、OSが対応していることが必要です。
iOS13.1以降であれば、マイナンバーアプリはインストールできます。使用するにはiPhoneにマイナンバーカード読み取り機能も搭載されている必要があります。iPhone7またはiPhoneX以降のiPhoneであればマイナンバーカードの読み取りに対応しており、マイナンバーアプリを使うことができます。
■Androidの対応機種
Androidの場合は、Android6.0以降であればマイナンバーアプリを使えます。
iPhoneと同じようにマイナンバーカード読み取り機能が搭載されていることが必要です。対応機種は100機種以上にのぼりますので割愛しますが、OSのバージョンとマイナンバーカード読み取り機能の有無を参考に判断してください。
■対応機種でない場合は?
自分の持っているスマートフォンがマイナンバーアプリに対応していない場合は、PCからマイナポータルへアクセスしましょう。ICカードリーダライタが必要ですが、外付けでも問題ありません。
PCの場合、対応OSはWindowsかmacOSです。
マイナンバーアプリの使い方
マイナンバーアプリの使い道は徐々に増加中です。ここでは、マイナンバーアプリの代表的な使い方をご紹介します。
■マイナンバーカードを健康保険証として使う際の申し込み
マイナンバーカードは健康保険証として使えるようになりました。2021年6月時点で、必要な手続きさえしていればマイナンバーカードを健康保険証として利用でき、2021年10月からはマイナポータルで、薬剤情報や医療費情報の閲覧が順次できるようになります。
マイナンバーカードを健康保険証として使いたい人は、マイナンバーアプリから手続きしましょう。アプリのトップに表示されている「マイナンバーカードの健康保険証利用申込」をタップすると、すぐに手続きできます。
■行政サービスの利用
マイナンバーアプリを使うと、さまざまな行政サービスをオンラインで利用可能です。利用できる行政サービスの種類は地方自治体によって異なり、下記のようなサービスがあります。
- 住民票の取得
- 児童手当に関する手続き
- 国民年金や介護保険に関する手続き
など
これまで基礎年金番号や住民票コードなど複数の番号で管理していたことから煩雑化していた行政手続きが、マイナンバーで紐付けられることで、スムーズに手続きできます。
■世帯情報や税・所得情報などの確認
マイナンバーアプリでマイナポータルへ利用者登録をすると、自分のさまざまな情報を確認できるようになります。取得できる情報の例は下記の通りです。
- 所得税・個人住民税の確認
- ローン申請に必要な世帯主情報
- 年金資格情報
- 児童手当情報
- 雇用保険関連情報
など
わざわざ役所へ出向かなくても、手元のスマートフォンで確認できます。
■利用者登録で活用の幅が広がる
マイナンバーアプリで利用者登録をすると、さらにマイナンバーを活用しやすくなります。自分の情報が行政機関の間でやりとりされた履歴を確認できるだけでなく、e-Taxやねんきんネットなどと連携でき、手続きがスムーズです。
民間サービスとの連携も進みつつあり、利用できる範囲が広がっています。
マイナンバーアプリの利用者登録手順
マイナンバーアプリを活用するためには、最初に利用者登録を行いましょう。利用者登録手順を簡単にご紹介します。
■iOSの場合
iOSで利用者登録をする場合、下記のような手順で行います。
- マイナンバーアプリを起動して「利用者登録/ログインして使う」をタップ
- パスワードを入力して「次へ」をタップしたらiPhoneの下にマイナンバーカードをセットして「読み取り開始」をタップ
- 「読み取りが完了しました」と表示されたらマイナンバーカードを取り外す
- 「利用者登録へ進む」をタップ
- 必要情報を入力して「利用規約に同意して確認へ進む」をタップ
- 確認したら「利用者登録する」をタップ
上記の手続きで利用者登録は完了し、次回以降は登録する必要はありません。
■Androidの場合
Androidでの操作方法も、iPhoneの場合と似ており、下記のような手順で登録できます。
- マイナンバーアプリを起動して「利用者登録/ログインして使う」をタップ
- パスワードを入力して「次へ」をタップしたらスマートフォンの下にマイナンバーカードをセットし、「読み取り開始」をタップ
- 「ログイン認証に成功しました」と表示されたらマイナンバーカードを取り外す
- 「利用者登録へ進む」をタップ
- 必要情報を入力して「利用規約に同意して確認へ進む」をタップ
- 確認したら「利用者登録する」をタップ
上記の手続きを行うと利用者登録が完了しますので、次回以降は登録せずともログインできます。
マイナンバーアプリでのマイナンバーカードの読み取り方法
マイナンバーアプリでマイナンバーカードを読み取ろうとしても、エラーが出てなかなか読み取れないことがあります。そこで、スマートフォンでマイナンバーカードを読み取る方法を見ていきましょう。
■iPhoneを使ったマイナンバーカードの読み取り方法
iPhoneでマイナンバーカードを読み取る場合、標準的な位置の目安は、スマートフォン上部がマイナンバーカードの中央に重なる位置です。
しかし、iPhone XS MaxやiPhone XRなどの一部機種は置く位置が異なりますので、読み取る時には注意してください。
■Androidを使ったマイナンバーカードの読み取り方法
Androidを使ってマイナンバーカードを読み取る場合は、機種によって読み取る位置が異なります。
スマートフォン裏面のモバイル非接触IC通信マークが、マイナンバーカードの中央付近に重なるようにして、読み取ってください。
マイナンバーアプリの注意点
マイナンバーアプリを使う際に、いくつか気を付けるべき点があります。
■使うにはマイナンバーカードや暗証番号が必要
マイナンバーアプリを活用したければ、利用者登録は欠かせません。利用者登録にはマイナンバーカードとアプリをダウンロードしたスマートフォンの他に、マイナンバーカードの暗証番号も必要ですので、すぐに入力できるよう手元に用意しておきましょう。
■マイナポイントへの申し込みには別のアプリが必要
マイナポイントへ申し込みたくてマイナンバーカードやマイナンバーアプリを使っている人は多いでしょう。しかし、マイナンバーカードだけではマイナポイントへの申請はできません。マイナポイントアプリのダウンロードや登録が必要ですので、忘れずに手続きしましょう。
マイナンバーアプリがあれば行政手続きが簡単に! マイナンバーカードをつくったら登録しておこう
マイナンバーアプリの正式名称は「マイナポータルAP」。活用するとスマートフォンでマイナポータルにアクセスでき、さまざまな行政手続きがスムーズになります。対応OSはiOSとAndroidで、多くのスマートフォンに対応しています。
マイナンバーアプリを使うと行政手続きが便利になる点が最大のメリット。マイナンバーカードを健康保険証として利用できたり、行政機関とのやりとり履歴を見られたり、e-Taxなどの外部サイトと連携できたりするようになります。
面倒な行政手続きの手間を軽減できるアプリですので、マイナンバーカードとともにぜひ活用してください。
参考文献
内閣府「マイナポータルとは」
地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカードに対応したNFCスマートフォン一覧」
内閣府「マイナポータル操作マニュアル」
内閣府「マイナポータル」
内閣府「マイナンバーカードの健康保険証利用」
厚生労働省「マイナンバーカードの保険証利用について」
東京都港区「区でマイナンバーを利用する事務」
内閣府「わたしの情報について」
内閣府「やりとり履歴について」
内閣府「マイナポータルからもっとつながる」
内閣府「03 iPhoneのブラウザを使ってログイン・利用者登録する」
内閣府「03 Androidのブラウザを使ってログイン・利用者登録する」
地方公共団体情報システム機構「電子証明書の読取り可能なスマートフォン(iPhone)に関するトラブルシューティング」
総務省「iPhoneマイナンバーカードの読み取り方法」