映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(8月13日公開)のバトンタッチセレモニーが1日に都内で行われ、寺田心、神木隆之介、三池崇史監督が登場した。

  • 左から寺田心、神木隆之介

    左から寺田心、神木隆之介

同作は1968年からの3部作、2005年の平成版とヒットを記録した映画『妖怪大戦争』の令和版。フォッサマグナに眠る古代の化石たちが1つに結集し、巨大な妖怪獣へと姿を変え、東京を向かうという未曾有の事態に、妖怪ハンターの血を継ぐ埼玉県・所沢市の小学生・渡辺兄(寺田)が「世界を救う勇者」に選ばれ、妖怪たちとともに大冒険を繰り広げる。

まずは本作主演の寺田と、2005年版に引き続きメガホンを取った三池監督がステージに登壇。いよいよ8月13日に公開を迎える本作について、寺田は「数えきれないほどの妖怪が登場します。一匹一匹が魅力的です。そんな妖怪たちとの冒険はとてもワクワクすると思います! 世界中の妖怪やモンスターも登場するのでお楽しみに!」と笑顔を見せた。

続いて、2005年版『妖怪大戦争』で主役の稲生タダシを演じた神木が登場し、新旧の主演キャストの2ショットが実現。神木は本人の熱望により、前作でタダシと友情を育む妖怪・スネコスリを肩に乗せての登壇となった。一足先に新たにスケールアップした『妖怪大戦争 ガーディアンズ』を鑑賞した神木は「迫力のレベルが段違いでしたね!」と興奮気味。「前作も妖怪やCGなどディテール見どころはいっぱいあったけど、本作では妖怪たちがさらに現実に存在していて、実態がちゃんとあるような……だけどどこか幻想的で、現実と夢のはざまにあったので、冒険できた気持ちになりました。ね、なったよね?」とスネコスリに同意を求め会場を沸かせた。

寺田は今回の主演にあたり、参考に前作を鑑賞していたことを明かす。「神木さん演じるタダシに自分を投影して物語に引き込まれて行きましたね。神木さんの絶妙なお芝居がすごかったです!」と大先輩の演技を絶賛し、これには神木も「めっちゃ嬉しいです!」と満面の笑みに。ふ2人とも小学校高学年の頃に『妖怪大戦争』に主演していたことに触れ、「僕は撮影当時何も考えられていなかったので、今見返してみると反省点もあるんですけど、ちょうど心君と同じぐらいの歳に撮影していたので、心君にそう言ってもらえると嬉しいです」と喜びを語った。

そんなふたりの共通点について、三池監督は「人の言うことを瞬時に理解してやってのける能力は驚くべきもの」と即答。「誰かに教えられて仕事としてやっているというより、求められてやって、出来て、周りを喜ばせるのが好きだと思う」と分析した。異なる点について問われると、「寺田心さんは集中力が落ちるタイミングがやや早い。うるさい子供に戻るときがあるので、『戻ってるよ!』と言うとピシっとします(笑)」と、撮影中の寺田の子供らしい一面を明かした。神木については「常に神木隆之介というひとりの人間としてそこにいた」と言い、休憩時間に河童の河太郎(阿部サダヲ)にキュウリをあげていたエピソードを披露。神木は、撮影時に特殊メイク状態の阿部にしか会っていなかったことから阿部を河童だと思っていたことを明かし、「単純だったんですかね(笑)」とピュアすぎる当時を照れ臭そうに振り返った。

実は神木は本イベントへの登壇だけでなく、『妖怪大戦争 ガーディアンズ』にも出演していることも明かされた。演じるのは前作のタダシではなく、ケイが通う小学校の担任教師・加藤先生という新たな役。神木は16年ぶりに『妖怪大戦争』に関われた喜びを語りながら、前作の敵が豊川悦司演じる「加藤」だったことに触れ、「僕にはなぜ『加藤先生』なのかはわからないけど、勝手に深堀りしています。現場もすごく楽しかったです!」と自身も気になるキャラクターでの出演だったことを明かした。寺田も「(本作で)個人的に加藤先生が一番気になる存在です。最後のシーンの謎とか、どういう意味なんだろう? と気になりました」と語り、さらに三池監督からは、「本編ラストでちらっと正体が観られますので、お楽しみに!」とサービス発言も飛び出し。

お互いの共演シーンについて話題が及ぶと、寺田は当初前作を意識しており、「負けないように頑張らなきゃという気持ちだった」と言う。しかし神木にアドバイスを求めたところ、「そのままでいいんだよ」と言ってもらえたことから、「僕は僕でいいんだ」と思い直し撮影に挑めたことを語った。対する神木は、実は初めての教師役に緊張していたことを明かし、休憩時間に教壇に立っていたら、寺田から突然演技について質問されたというエピソードを披露。「『前作ではどういう想いでお芝居をされていたんですか?』って聞かれて、『やばい、俺何も考えてなかったな』と思って……」と胸中を明かしながら、何も考えていないからこそいいこともあったと思い直し、「前作は気にせず、目の前で起きたことを生きている感じで、そのまま演じればいいよ」と答えたと言う。「心君は『そうですか、ありがとうございます!』と。当時の僕より言葉遣いもきちんと出来ていて全然違う、と反省しました! 本当にしっかりした方だなと思って教壇に立っていました」と、新たな主演俳優・寺田心のたたずまいを絶賛した。

トークの後はいよいよ主役の“バトンタッチ”セレモニーへ。『妖怪大戦争』の歴史の重みが詰まった特製の巨大バトンが、神木から寺田へと託された。神木は「本当に純粋に応援しております! 僕の中では『妖怪大戦争』は一生忘れられない作品になっていて、今回心君が16年越しに主役を演じてくれたのが本当に嬉しいですし、心君にこれから世界を救っていってほしいなと思います。スネコスリともども応援しておりますので、これからも頑張ってください!」とエールを贈った。バトンを受け継いだ寺田は巨大バトンの重みを実感しながら、「いろんな想いが詰まったバトンだと思います。改めてしっかりと受け止めたいなと思いました」と噛みしめるようにコメントした。