過去の対戦成績は丸山九段の1勝0敗
将棋の第6期叡王戦(主催:株式会社不二家)本戦トーナメント準決勝、▲藤井聡太二冠-△丸山忠久九段戦が6月22日に東京都「シャトーアメーバ」で行われています。勝者は挑戦者決定戦で斎藤慎太郎八段と対戦します。
10時から対局開始の本局は、振り駒の結果藤井二冠が先手番になりました。丸山九段が後手番となれば、当然、戦型は一手損角換わりです。
両者は過去に第33期竜王戦決勝トーナメントで対戦しており、丸山九段が勝利しています。その時は丸山九段が先手番で対局が始まり、千日手となりました。持ち時間の使い方を見ると、得意の一手損角換わりに誘導するためにあえて千日手を選んだかのような指し回しでした。指し直し局開始時点で、藤井棋聖の残り時間は約1時間半に対し、丸山九段は約4時間と、かなりの差がついていました。
千日手指し直し局は、もちろん丸山九段の一手損角換わりに。丸山九段が中盤でリードを奪い、藤井二冠が最終盤で仕掛けた逆転へのわなをかいくぐって勝利を収めました。
前局では、丸山九段の一手損角換わりに対して棒銀を用いた藤井二冠ですが、本局は早繰り銀を採用しました。序盤で銀交換になり、丸山九段は手にした銀を早々に自陣に投入します。一見、もったいないように見えますが、これは部分的な定跡手順。相手からの仕掛けを封じて局面を落ち着かせる狙いです。
藤井二冠は金銀で自玉を固めて仕掛けの機会をうかがいます。そして44手目、丸山九段が敵陣に歩を打ち込んで局面を動かしていきました。藤井二冠も歩を突いて反撃を開始しています。
先手の主張は銀を手持ちにしていること。また、玉も相手よりも固いです。対する後手は、角の打ち込みの隙のない陣形が主張。先手陣に角を打って馬を作り、その馬を軸にした将棋の組み立てをするでしょう。
持ち時間が3時間の本局は、本日夕方の決着となりそうです。挑戦者決定戦には一足先に斎藤八段が進出しています。その斎藤八段と豊島将之叡王への挑戦権を懸けて戦うことになるのは、果たしてどちらになるでしょうか。