NHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか)で、清原果耶演じるヒロイン・モネこと永浦百音の下宿先の大家・新田サヤカ役を演じている夏木マリ。夏木の朝ドラ出演は、『カーネーション』(11~12)でヒロイン・小原糸子の晩年を演じて以来、約10年ぶりとなった。サヤカはモネにとってメンター的な役割も果たすが、19歳の清原を見守る夏木自身の懐の深さとも相まって非常に奥行きがある。そんな夏木は、清原や『おかえりモネ』の魅力をどう捉えているのか。

  • 『おかえりモネ』新田サヤカ役の夏木マリ

夏木は清原については「お芝居に対する取り組み方が真摯です。もちろん俳優だったら当たり前のことですし、俳優に年齢は関係ないのですが、長くこの仕事をしてきて、フレッシュな19歳に会うと、あんなにしっかりしているんだ!と見習うことがいっぱいあります」と感心しきり。

「清原さんは、ちゃんと気持ちで動けないところはディレクターとディスカッションをし、なぜこういう動きをするのかと、自分のなかに落とし込んでからやってらっしゃるので、そこは本当に素晴らしいです。私なんていい加減なので、まあいいかなと思ってやっちゃうことがあるんですが、彼女は絶対にそういうことはしない」と語る。

宮城県気仙沼湾内にある亀島で育ったモネは、高校卒業後に島を出て、登米市の森林組合に就職した。サヤカは、モネと共に暮らし、森林組合の創設者でモネの上司でもあるので、清原との共演シーンも多い。なかでも、夏木が心に残っているシーンは、モネを森に誘い、樹齢300年のヒバの木を見せるシーンだ。

「モネに『ゆっくりでいいんだよ』と伝えるシーンで、とっても印象的でした。木が生きてきた時間が伝わってきたというか、自然の大きさを感じました」と言うが、確かにモネの心が大きく揺り動かされるシーンになっていた。

『カーネーション』での夏木は、72歳からの糸子役を演じたが、朝ドラに老いというものをリアルに持ち込んだ晩年の展開は、いまでもよく覚えている。夏木は当時を振り返り「やっぱり主役は大変ですが、清原さんはよく頑張ってらっしゃると思います。朝ドラはまとめて撮るので、ヒロインだと分量が非常に多いので」と清原をねぎらう。

そんな夏木は、『カーネーション』での大阪ロケの時と同様に、『おかえりモネ』の現場にも弁当を持参しているそうだ。「また、“お弁当派”になりました。『カーネーション』の時は、朝5時くらいから現場に入り、てっぺん(24時)までやっている日もあったぐらいで、昼間の大阪を見たことがなかったんです。外にも出られなかったので、お弁当を持参していたのですが、今回も基本はそうしています」