三井住友信託銀行が設置している「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」はこのほど、「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」の結果を発表した。調査時期は2021年3月、調査愛称は20~64歳の個人、有効回答は1万920人。

約半数が「頭金なし・1割程度で購入」

  • 住宅購入時の頭金比率(物件価額に対しての比率)

自宅を自身で購入した人に「住宅購入時のローン利用」を尋ねると、「住宅ローン利用中」・「住宅ローンで購入したが返済完了した」世帯の割合は78.9%となり、特に30歳代では88.2%に達した。

住宅ローンの当初借入金額については、「2,000万円以上~3,000万円未満」が35.5%、「1,000万円以上~2,000万円未満」が27.0%、「3,000万円以上~4,000万円以上」が21.6%との順に。世代別にみると、30歳代以下では借入額3,000万円以上が約4割を占めた。

従来、「住宅ローンの頭金は、物件価額の2割~3割を目安に、購入前に自助努力で準備」が一般的とされていた。しかし、今回の調査でローンを組んで住まいを購入した人に頭金(対物件価格比率)について聞いたところ、「頭金はゼロ」は27.0%、「頭金は1割」は21.7%と、「頭金なし、もしくは1割程度で購入する世帯」が約半数(48.7%)を占め、中でも30歳代では約3分の2(67.0%)に上った。

同調査では、「頭金を貯めていると、いざローンを組んだ際の返済完了時が高齢になってしまう」「物件価格は高止まりしていて、待っていても安くなりそうにない」などの「各世帯におけるリアルなニーズの表れとも考えられる」と分析している。