プロジェクトの進捗状況や事業の段階を伝える際に、「フェーズ」という言葉が使われているのを聞いたことがあるでしょう。フェーズはIT業界や建築業界でよく使用されますが、使われるビジネスシーンによって意味が変わってきます。

この記事では、「フェーズ」という言葉について解説。正しい意味や使い方、類語や英語表現などを紹介します。

  • フェーズとは

    フェーズは使うシーンや業界によって意味が変わってきます

フェーズとは

フェーズは、「段階」や「区切り」、また「局面」という意味があり、ビジネスシーンでは、企画やプロジェクトの進捗や成長過程を区切る際に使われます。

短期的な企画やプロジェクトであれば、フェーズに分けることもなく一気に実行し、完了させることができます。しかし、中長期的なプロジェクトに対しては、やるべき作業や課題も膨大になり、管理が煩雑になってしまいがちです。

そういった際に、フェーズに分けて管理することで、効率的に実行・完了することができるようになります。フェーズごとの明確な達成基準を定めて管理することは、長期的な事業やプロジェクトの管理には欠かせない作業です。

フェーズの英語表記

フェーズは英語の「phase」が語源になっています。「段階・局面」の他には「位相」という意味がある単語です。また、月の満ち欠けの様子を意味する月相(げっそう)や出土物から時代区分を決める考古学の相(そう)といった、専門用語としての意味もあります。

フェーズは医療業界でも使われる

ビジネスシーン以外に医療業界でもフェーズは使われます。パンデミックの警戒段階をフェーズで区切って表現しているニュースを耳にした方も多いでしょう。他にも治験の試験を区切る際にもフェーズを使っています。

・○○県の新型コロナウイルス感染症に係る状況は、現在第4フェーズに入っている。

・新薬の治験はフェーズ5までの5段階の試験を検討している。

  • フェーズとは

    フェーズには「段階」や「区切り」、また「局面」という意味があります

ビジネスでのフェーズの意味と使い方

ビジネスシーンにおける「フェーズ」の使い方を紹介します。ビジネスシーンでは、長期的な企画やプロジェクトの進捗状況や段階を「フェーズ」で区切って呼ぶことで説明や情報共有がしやすくなり、作業をより進めやすくなります。

フェーズの使い方:段階・区切り

ビジネス用語のフェーズを「段階」として使う場合の例を紹介します。

・プロジェクトは第1フェーズが完了し、第2フェーズに進む。

・第3フェーズでは、A社との提携が計画されている。

企業のプロジェクトや企画の進捗段階をフェーズで表します。第1フェーズや第2フェーズのように数字や番号を振って段階を表すと分かりやすいです。

フェーズの使い方:局面・時期

一連の流れを段階で分ける意味でのフェーズではなく、新しい局面を意味するフェーズの使い方を紹介します。局面とは、成り行きや形勢といった意味をもっています。

そのため、現状から別の新しい時期に進む時にフェーズを使って表現することが可能です。

・人工知能の発達により、弊社の電子機器システムは新たなフェーズに入った。

・○○企業は株式が上場したため、フェーズが大きく変わった。

  • ビジネスシーンで使うフェーズ

    「フェーズ」で区切って呼ぶことで説明がしやすくなるので、作業が効率化できます

フェーズの類語と違い

フェーズの類語を紹介します。しっかりと意味や違いを理解して使い分けをしましょう。

プロセス

プロセスは「process」という英語が語源になった言葉です。「物事が進む過程」や「物事を進める手順」を意味します。フェーズの段階と同じ意味のように感じますが、実際は別の意味です。

フェーズのイメージは、一連の出来事を任意に区切ったものに対して、プロセスは進行具合を表しています。また、プロセスは事業やプロジェクト全体でも、1つのフェーズの中でも使うことが可能です。

・第3フェーズのタスクが終了したので、次のプロセスに進むことにする。

ステップ

ステップは英語「step」を片仮名に置き換えた言葉です。意味は「歩調」や「物事の進行の段階」があります。意味合いはフェーズととても似ていますが、使い分けの仕方は、フェーズは大きな過程を指していることが多いですが、ステップは小さな過程を表していることが多いです。

一般的にはフェーズをさらに細かく区切ったものがステップになります。フェーズが一連の出来事を任意に区切ったイメージに対して、ステップは1つずつ進歩していく様をイメージすると分かりやすいでしょう。

・今回の企画会議は新規事業の成功への第一ステップといえる。

タスク

タスクは英語「task」を片仮名に置き換えた言葉です。意味には「作業」「課題」があります。ビジネスで使われるタスクは、すぐに取りかかれる目の前の課題に対して使われることが多いです。

フェーズのように、工程を表す意味合いは含まれていません。タスクを確認することで課題や作業を効率良く進めることができます。

・新しいプロジェクトのタスクを書き出す。

  • フェーズの類義語

    フェーズの類語やニュアンスの違いを理解しましょう

フェーズが含まれる用語を紹介

ビジネスシーンでは、フェーズが含まれる言葉がよく使われます。ここでは「フェーズフリー」と「フェーズゲート」を紹介します。

フェーズフリー

フェーズフリー(Phase Free)は、日常時でも災害時でも使用できる商品やサービス、それらが持つ価値のことを指します。

日常時と災害時という時間(=Phase)の連続の中で、私たちは生活していると考えたとき、日常時だけ・災害時だけでしか使えないものやサービスよりも、どちらのフェーズでも活用できるものやサービスの方がよいのではないか? という新しいアイデアです。

フェーズフリーは全ての人への時間的な制約と取り払った自由を提案しています。「フェーズフリー設計」、「フェーズフリー社会」のように使われます。

フェーズゲート

プロジェクトを成功させるために、次のフェーズに進む際に終了基準を前もって明確に設け、基準や条件を満たせないと次に進めないようにすることがあります。この基準や条件のことを「フェーズゲート」といいます。

中長期的なプロジェクトには、フェーズに分けて管理することが重要であることは、フェーズの意味や使い方からも理解できたことでしょう。「フェーズゲート」を設定することで、早期に問題点やリスクに気づくことができるため対策や手戻りを防ぐことができるのです。

  • フェーズが含まれる用語

    フェーズゲートを設定することで、企画やプロジェクトを円滑に進めることができます

長期的なプロジェクト管理はフェーズで区切ろう

フェーズは「段階、局面、時期」を意味する言葉ですが、使う業界やシーンで意味が少し変わります。

ビジネスシーンでは、中長期的事業やプロジェクトでフェーズに区切って進捗を報告・確認して管理することが重要です。フェーズで区切って名前をつけることで、膨大な作業の説明がしやすくなったり作業が進めやすくなったりします。

フェーズの正しい意味や使い方を理解して、ビジネスで活用してみましょう。