JR東日本は8日、2050年度のCO2排出量実質ゼロをめざす「ゼロカーボン・チャレンジ2050」達成に向けた具体的な取組みを発表した。

  • ディーゼルハイブリッドシステムを搭載したHB-E210系

同社は目標達成に向け、エネルギーを「つくる」段階と「つかう」段階でそれぞれ複数の取組みを推進。「つくる」段階では、自営発電所である川崎火力発電所1号機を更新し、燃料を灯油から天然ガスに切り替えた。発電効率も改善し、CO2の排出量係数は更新前に比べて約40%改善する見込みだという。

再生可能エネルギーの開発推進にも取り組み、太陽光や風力による発電所を順次運転開始している。2020年度は大崎三本木(宮城県)と磯原(茨城県)に太陽光発電所(合計2.26万kW)を開発した。これ以前に運転を開始した発電所も含め、2020年度は約9,320万kWhの電気を発電したという。

「つかう」段階では、気動車の取換え計画にあたり、ハイブリッド車両(ディーゼル)や蓄電池電車「ACCUM」を軸とする。現在、開発を行っているハイブリッド車両(燃料電池)の試験車両「HYBARI」は、2022年から鶴見線と南武線(尻手支線の浜川崎~尻手間、本線の尻手~武蔵中原間)で実証試験の開始をめざす。

  • 蓄電池電車EV-E301系「ACCUM」

再生可能エネルギーの導入を推進している福島県内では、「水素社会」の実現に向けた取組みを進める。駅で消費するエネルギーのうち、照明・空調装置などに使用するエネルギー源として水素を活用するため、県内の駅に定置式燃料電池を設置。県内の事業用自動車の一部を燃料電池自動車へ置き換えるほか、県内への燃料電池バスの導入を検討する。