コロナ禍で、さらなる高まりを見せるキャンプ人気。
特に最近はInstagramなどSNSでの"魅せるキャンプ"に注目が集まっているようで、「僕のフォロワーにも、キャンプを始める人が増えていて、みんなオシャレなアイテムをそろえています」とアウトドアブランド「OUTDOOR MAN」の生みの親であり、ブランドマネージャーの古川義隆さんは話す。
キャンプでも個性を出す人が増えている
最近のトレンドを「鉄を使った"アイアン系"のキャンプ用品が人気で、テントやタープは、茶色やクリーム色などのアースカラーが主流になっている」と分析する古川さん。
「中にはランタンや鍋などをかけるハンガーを鉄の棒で自作したり、個性を出そうとカラフルなテントを張ったりする人や、ここ数年でブラックのテントも増えてきました」。
"アイアン系"でワイルドさを演出したり、流行のアースカラーでそろえたり、周りとは違う道具で個性を出したり。
キャンプは、アイテムをそろえるのも楽しみの一つで、古川さんも「ある程度の道具をそろえて写真を撮るだけで、キャンプ初心者でもプロ並みに見えたりする。そこがまた面白いところだと思います」と語る。
しかし、いざ自分もそろえよう思っても、何が必要で、どう選んで良いのやら……そこで古川さんに、最低限そろえておきたいキャンプ用品と選び方を教えてもらった。
テントは組み立てやすく、雨をしのげるものを
テントは、寝泊まりするのに欠かせないマストアイテム。古川さんは「自分の経験として、最初のテントは組み立てやすさで選んだ方が良い」と話し、2つのポールを交差させて設営するクロスポールタイプのドーム型テントを推奨する。
「雨が降ったときのことを考え、できれば防水性があるものを選びたいところ。タープという雨よけがセットになったタイプであれば、多少の雨風も気にせず休憩や食事ができて便利です」。
シュラフは1種類だけで、まずは大丈夫
「屋外で快適に眠るには、季節ごとの適応温度に合わせたシュラフ(寝袋)を選ぶのがベスト」と言う古川さん。
とはいえ、温度が細かく設定されたシュラフは高額になる場合も。
「初めて買うのはオールシーズン兼用のシュラフが最も使い勝手が良いと思います。ただ、冬にキャンプする場合はオールシーズン兼用だと不安なので、冬用のシュラフを別途購入するのをお勧めします」。
また、シュラフには温度だけでなく、カタチにもマミー型と封筒型の2種類あるが、古川さんは「どちらでも良いですが、全身をすっぽり包んで顔だけが出せるマミー型は万が一ジッパーが壊れたら抜け出せない、と知り合いに脅されたこともあり僕は後者です(笑)。そんな機会はまず無いと思うのですが、少しでも不安に感じるなら封筒型を選んだ方が無難でしょうね」。
イスとテーブルは必ず実物を確かめる
休憩や食事をする際に欠かせないイスとテーブルは、「座り心地や使い心地が人それぞれ違うので、ネット通販だけを見て購入するのは止めた方がいい」と注意を促す。
「イスは実際に座ってみる、テーブルも実物の高さや耐荷重をしっかりチェックして購入するのをお勧めします」。
また、イスは「ソロキャンプなら小さくて良いし、近場でBBQする程度のキャンプであればホームセンターで売っている2,000円くらいのイスで良いと思います。テーブルは一人なら30~40cm、家族で使う場合は120cm程の大きさがあると使いやすいです」。
ランタンは夜の電池切れに注意
ランタンは最近充電式が流行っているが、「僕は充電式だけでは不安なので、乾電池タイプも必ず持っていきます。充電タイプを選ぶ場合は、点灯可能時間をチェックして、最大値の明るさで8時間は保てるものを選んでおくと間違いないと思います」とアドバイスする。
BBQコンロはマルチに使えるタイプを選びたい
キャンプの醍醐味といえば、やはり炭火でBBQ!……と思ったら、古川さんの周りのキャンパーたちは火起こしが面倒なBBQコンロではなく、ガスコンロに行き着いた人が多いのだとか。
「僕も最初はBBQコンロから始めたので推したいところですが、正直お勧めできないかな。なぜなら、結局はガスコンロに行き着いたり、後から焚き火台が欲しくなったり、BBQコンロでは物足りなくなってしまうから。それなら、少し予算をかけてもBBQもできて、火起こしもできて、焚き火もできるマルチなキャンプ用品を最初から手に入れておいた方が、結果的にお得だったと感じてもらえると思います」。
キャンプでは上記の6アイテムの他にも、コップなど調理に必要な道具をはじめ、まだまだ必要なモノはたくさんある。「挙げたのはあくまで最低限のアイテムで、そこからは自分が求めるキャンプのスタイルに合わせてそろえていってもらえたら」と古川さん。
最後に、初心者が避けるべきことを聞いてみると「雨の日のキャンプ」との回答が。「雨の日は、気持ちがイライラしやすく、絶対に止めた方が良いです」。特に夫婦など、気の置けない相手とは最悪ケンカになってしまう……なんてこともあるとのこと。
雨の日は ショップにキャンプ用品を見に行く。そして、手に入れたアイテムを持って、晴れた日にキャンプを楽しむ。今夏はそんな週末の過ごし方をしてみるのもいいかもしれない。
取材協力:古川義隆(ふるかわ・よしたか)
ライソン株式会社営業部課長・アウトドアチームマネージャー。
2016年9月、アウトドアブランド「OUTDOOR MAN」を立ち上げ1人で60以上の商品を手がける。公式インスタグラムで情報発信も積極的に行っている。