コロナ禍で手放せない「マスク」。柄や色で個性を出す方もいますが、バイクや電動アシスト自転車を手掛ける「ヤマハ発動機」(@yamaha_bike)では、同社ならではの個性的なマスクをTwitterに投稿しています。

「YZF-R1M」のフロントマスクをマスクにしました。
優れた空力特性を追求した形状を再現したマスクで、自分を個性的に演出してみましょう。
※抗ウイルス効果・飛沫拡散防止効果を目的とした作品ではありません。(@yamaha_bikeより引用)

マスクはマスクでも、ヤマハのスーパースポーツバイクのフラッグシップ「YZF-R1M」のフロントマスクを、さらに羊毛フェルトで再現した、その名も「YZF-R1Mマスク」。ちなみに抗ウイルス効果や飛沫飛散防止効果を目的とした作品ではないとのこと。

高性能オートバイの複雑で立体的な構造や、クールなカラーリング、そして「R1M」のロゴまで再現したこのマスク、ユーザーからは「今日って4月1日やったっけ!?と本気で考えてしまった」「再現度w」「発売されたら……買うかも」と、動揺を隠せなかったり思わずツッコミを入れるコメントも寄せられています。

  • なぜ羊毛フェルトで作ろうと思ったのか

「YZF-R1M」は"サーキット最速"をコンセプトに開発したヤマハスーパースポーツバイク。"Race READY Face"と呼ばれるフロントマスクは、スタートのシグナルを待つような冷徹な目つきが印象的……と言われますが、この羊毛フェルト製の「YZF-R1Mマスク」は、触ったらフカフカしてそうで、どこかほっこりとした雰囲気です。

しかしなぜバイクのヤマハが、しかもなんで羊毛フェルトなのだと疑問とツッコミが追い付かないこのマスク、実は以前から、公式サイトであみぐるみや羊毛フェルトといった手芸の作り方レシピを公開しているそう。

一見親和性がなさそうな「ヤマハ発動機」と「手芸」ですが、同社ブランドマーケティング部の三宅英典さんによると、ユーザーもウェブサイトのアクセスも圧倒的に男性の比率が高いなか、接点が希薄な女性ユーザーとどうコミュニケーションをとるか、という課題の解決策のひとつだそう。

「総務省の調べによると、国内の手芸人口は約1,200万人。その9割以上が女性ということを知って、企画・制作に取り組んだのが3年前のことでした。当時、協力・監修の相談に伺った日本あみぐるみ協会と日本羊毛フェルト協会の皆さんには、『オートバイの会社の人が一体どんなご用で?』と驚かれました」というエピソードも。

  • それにしても本気すぎる

確かにこの冬には、羊毛フェルトのキャラクター(ただしバイクではなく車です)が活躍する短編アニメも話題となり、改めて「羊毛フェルト」は注目を集めるジャンルです。それにしてもモチーフが本気すぎるうえに、初心者向けとは言えない複雑な内容では……。

「手軽な作品をご用意すればたくさんの方にご利用いただけるかもしれませんが、それでは当社が手芸を扱う意味がありません。ものづくりの会社だからこそ、あえてディテールにこだわった作品づくりを目指しています」と三宅さん。

「ものづくりの会社」ならではの本気を見せる「YZF-R1Mマスク」、公式サイトでは型紙の配布や作り方動画も公開しているので、興味を持った方はぜひチャレンジしてみては?