日本たばこ産業株式会社と福岡ソフトバンクホークスが協業し、福岡PayPayドームの屋外喫煙所をリニューアル。「福岡らしさ、親しみやすさ」をデザインテーマにした、吸う人も吸わない人も"見て楽しい"福岡限定のユニークな喫煙所が誕生した。福岡ソフトバンクホークスに、リニューアルの意図を聞いた。

  • リニューアルされた福岡PayPayドームの屋外喫煙所

福岡PayPayドームの喫煙所がリニューアル

福岡ソフトバンクホークスの本拠地となる福岡PayPayドームは、日本初の開閉式屋根を備えた円形スタイルの球場。世界最大のチタン屋根とライトブラウンの外壁が印象深い、進化し続ける大規模施設だ。

近隣には大型商業施設「MARK IS」や宿泊施設「ヒルトン福岡シーホーク」などがあり、2020年7月にはエンターテインメント・ゾーン「BOSS E・ZO FUKUOKA」も開業。家族で楽しめる「ボールパーク」として、活発に開発が進められている。

  • コロシアムをイメージしたという「福岡PayPayドーム」

このエリアを「福岡」の新しい観光スポットとすべく、福岡ソフトバンクホークスは地元の特色を生かしたさまざまなプロモーションを行い、地域活性に繋げようとしている。

福岡PayPayドームには、地元である福岡県のみならず、日本全国から多くの野球ファンや観光客が訪れる。だが、改正健康増進法によって喫煙所の数は減少し、喫煙される方には逆風が吹いている現状がある。

福岡ソフトバンクホークスはその状況を鑑み、これまでも喫煙所の位置を変更する、VIPルームで加熱式たばこ専用ブースを設けるなど、喫煙者と非喫煙者が共存できる環境作りを進めてきた。

「福岡PayPayドームはさまざまなお客さまが利用されます。おたばこを吸う方も吸われない方も、子供もお年寄りも大切なお客さまです。多様なお客さまが共存できるベースボールパークの実現に向けて、当社でも改めて喫煙可能な環境の整備が必要と考えていました」と、福岡ソフトバンクホークス 広報室 広報企画部の鳥原早貴氏は取り組みの経緯について説明する。

  • 福岡ソフトバンクホークス 広報室 広報企画部 鳥原早貴氏

見て楽しい! おいしい福岡だけの喫煙所

そんな中行われた屋外喫煙所の外観リニューアルも、たばこを吸う人と吸わない人の共存、そして福岡PayPayドームを中心としたホークスタウンの活性を目指したものだ。「福岡らしさ、親しみやすさ」をテーマに喫煙所のデザインを公募し、北九州市在住の加藤さんの作品が選出された。

デザインコンセプトは「見て楽しい! おいしい福岡だけの喫煙所」。誰もが思い浮かぶ喫煙所のピクトグラムに、全国的に知られる福岡の食べ物を融合、さらに右端に食べ物のお店の暖簾と人を表すピクトグラムを加え、連続性を表したという。福岡PayPayドームをぐるりと周遊する楽しみも得られるデザインだ。

  • 6ゲート付近の喫煙所は、喫煙所のピクトグラムから"うどん"の暖簾

  • 1ゲート付近は、うどんのピクトグラムから"ラーメン"の暖簾

  • 2ゲート付近は、ラーメンのピクトグラムから"もつ鍋"の暖簾

  • 3ゲート付近は、もつ鍋のピクトグラムから"明太子"の暖簾

  • 4ゲート付近は、明太子のピクトグラムから"腹ぺこ"の暖簾

「非喫煙者には煙たがれがちな喫煙所ですが、隔離スペースのような存在にすることなく、あくまでこの地域の一部として共存させたいと思いました。そのうえで"ご当地感"があるこのデザインは、見た目にも楽しめると思います。もちろんコロナ禍においては、密にならない快適な喫煙空間も目指しています」(鳥原氏)。

  • 新型コロナウイルス感染防止のため、喫煙所の定員は8名に制限されている

5年連続日本一を目指すホークス

福岡ソフトバンクホークスは現在、5年連続日本一を目指して様々な取り組みを行っている。今回の喫煙所の整備や福岡の名物を利用したデザイン、コロナ対策なども、より多くのファンの方に快適かつ楽しく応援してもらうための環境整備の一環と言えるだろう。

野球・ライブ・コンサートなどを福岡PayPayドームで楽しむだけでなく、福岡の新名所としてさまざまな楽しみ方ができる。その人気はチームの魅力のみならず、地域の特色を生かしたプロモーション、地域やファンのコミュニティ作り、そして福岡を訪れる多様な人たちへの心配りにも支えられているのかもしれない。