JR西日本は5月社長会見にて、列車利用の減少している現状に合わせたダイヤ改正を10月に実施することを明らかにした。

  • 琵琶湖線(東海道本線)を走る長浜行の新快速

新型コロナウイルス感染症の影響で、JR西日本の在来線特急列車の利用はコロナ前と比べて約3割、近畿エリアと他の西日本各エリアは約6~7割に減少している。ワクチン接種が進むことで厳しい状況からの回復が見込まれるものの、「コロナ前の水準には戻らない」と判断した。また、主要3駅(大阪駅、京都駅、三ノ宮駅)はすべての時間帯で利用が減少しているが、とくに昼間(10~15時)と夜間(21時以降)の減少率が大きくなっている。

JR西日本では、今年2月から一部列車の運転休止や臨時列車化を進めており、3月のダイヤ改正では深夜時間帯のダイヤ見直しをはじめ、約300本の列車を利用状況に合わせて見直した。2022年春のダイヤ改正では、すべてのエリアで各時間帯において利用に合わせたダイヤ見直しを行う予定だが、これを一部前倒しし、秋にダイヤ改正を行う。

  • 小浜線の普通列車

具体的には、利用の減少率が大きい昼間時間帯を中心に、列車本数と利用状況の乖離が大きい区間で約130本の列車を見直す。近畿エリアでは、琵琶湖線(米原~長浜間)、JR京都線(京都~高槻間)、JR神戸線(須磨~西明石間)、山陽本線(姫路~上郡間)、赤穂線(相生~播州赤穂間)、大和路線(奈良~加茂間)で合わせて約60本、近畿以外の西日本各エリアでは、小浜線、越美北線、きのくに線、和歌山線、瀬戸大橋線、伯備線、因美線、境線、山陰本線、山陽本線で約70本を減らす予定。詳細は7月に発表される。