9月10日公開の映画『浜の朝日の嘘つきどもと』の完成報告イベントが18日、都内で行われ、高畑充希、大久保佳代子、タナダユキ監督が出席した。

  • 左からタナダユキ監督、高畑充希、大久保佳代子

『百万円と苦虫女』や『ロマンスドール』といった話題作を世に送り出しているタナダユキ監督が、主演に高畑充希を迎えてオリジナル脚本で挑んだ本作。福島県・南相馬に実在する映画館・朝日座を舞台に、東京の映画配給会社に勤めていた福島県出身で26歳の茂木莉子(本名:浜野あさひ/劇中では高畑が演じている)が恩師と約束して朝日座再建のために小さな嘘をついて映画館を守ろうと奮闘する、というストーリーだ。

タナダ監督たってのオファーで主演が決まったという高畑は「タナダさんの作品が大好きなんです。お会いしてみたい方だったので呼んでいただけただけでも"ヤッター!"と思いましたし、お会いしたら人としてもタナダさん好きだなと思いました」と満足そうで、「台本がめちゃくちゃ面白いと思いました。セリフを口に出して読んでいても自分の中でつっかからないですし、流れやキャラクターがスムーズとイキイキとしていて台本から人が飛び出して来そうな作品でした。参加できたのはラッキーだと思いましたね」と笑顔を見せた。

すでに鑑賞したという本作は「去年のステイホームが終わってから最初の仕事がこの作品でした。本当に温かい映画だと思いました。今だから感じることも作品の中に盛り込まれています。たくさんの方に温かい気持ちになって欲しいと思うので、映画館で観ていただけたらうれしいです」とアピールした。その高畑扮する茂木莉子の恩師・田中茉莉子役には大久保佳代子が演じている。「マネージャーから映画の仕事が決まってすごくいい役と言われましたが、ウチのマネージャーはすごく盛ってくるので『またまた~』と思っていたんです。でも、人間としても魅力的な役です。セリフがめっちゃ多くてプレッシャーがあって、迷惑にならないようにセリフだけは入れて行こうと思いました」と明かした。そんな大久保から「『どこまで覚えてどこから覚えなくていい?』と序盤にこっそり聞かれました(笑)」と相談されたという高畑だが、「大久保さんはじめ、他のキャラクターがめちゃくちゃ魅力的でしたよ。完璧でしたね」とべた褒めすれば、タナダ監督も「完璧だったので何の問題もありませんでした」と称賛していた。

約100年続いた映画館が閉館寸前となり、多くの人々の思いが詰まった場所を失いたくないという思いに駆られて莉子が奮闘する本作。それにちなみ、「映画館の思い出は?」という質問に「地元にいた時はそんなに映画を見ていなくて、家族で『コナン』みたいな感じでした」と上京してから映画館で様々な作品を鑑賞したという高畑は「渋谷のアップリンクが好きで、寝落ちする瞬間が好きなんです。淡々とした映画を観て寝落ちする瞬間が至福だったので、なくなるのが寂しいですね。下の喫茶店でご飯食べたりしてました。(劇場で)寝ている時もあったから馴染んでました」とアップリンク渋谷の閉館に寂しそうだった。映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は、9月10日より全国公開。