女優の清原果耶がヒロインを務めるNHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)が、17日にスタートする。東日本大震災から10年の節目に放送される本作は、被災地である宮城県が舞台。“海の町”気仙沼に生まれ育ち、“森の町”登米で青春を送る永浦百音(清原)が、気象予報の仕事を通じて人々に幸せな未来を届けていく希望の物語となる。制作統括の吉永証チーフプロデューサーに、東日本大震災をどのように描くのか、また、タイトル『おかえりモネ』に込めた思いや、ヒロインの職業を気象予報士にした理由を聞いた。

  • 連続テレビ小説『おかえりモネ』永浦百音役の清原果耶

本作は、『透明なゆりかご』『サギデカ』で知られる安達奈緒子氏が脚本を手掛けるオリジナル作品。宮城県を舞台にしたことについて、吉永氏は「東日本大震災から10年経った春から始まるということで、東北の中から宮城県を選びました」と説明した。

また、本作において震災をどのように描くのか、「震災でどういうことがあったかというのは、個々人で千差万別。親しい方や大事な方を亡くされた方もいるし、直接的ではないけどいろんな形で影響を受けている人がいて、受け止め方は本当に人それぞれなので、ドラマとして断定することはできないし、そうではないものをドラマとしてどう描くかというところだと思いました」と語る。

そして、「私も震災の日は東京にいましたし、なかなか当事者のみなさんと同じ気持ちにはどうしてもなれない。その中で、震災で傷ついた方たちの気持ちに寄り添うことを、このドラマでどこまで表現できるのか」と考え、「(被災地の人たちのために)何か役に立ちたい」という思いをヒロイン・百音に託して描くことに。

百音は震災の際に故郷の気仙沼を離れており、「自分は何もできなかった」と後ろめたさを抱き、やがて内陸の登米へと移り住む。以来、ずっと誰かの役に立ちたいと思っていた百音は、生き方を模索する中で、天気予報の可能性と出会う。

吉永氏は「百音自身も気仙沼が故郷ですが、その日その場所にいなかった。直接的に自分はその場所にいなかったことが引っかかっていて、故郷や家族に何かしてあげたいという気持ちをどういう風に自分の中で消化して、前に進んでいくかというのがある」と解説。

そんな百音と故郷との関係から、『おかえりモネ』というタイトルに。「震災のときに故郷にいなかったという思いを抱えながら、いったん故郷を出て登米に行ったり東京に行ったりして、そこで自分に何ができるかつかんで、その思いを持って故郷に帰る。そこで故郷や家族が、成長した百音を迎え入れるというのが、このドラマが向かうところであることから、『おかえりモネ』というタイトルにしました」と明かす。ちなみに、「おかえりモネ」は、ある人が百音に向けて言った言葉だという。