春は新茶の季節です。香りがよく、ほのかな甘みも感じられ、体にとって優しい成分がたくさん含まれています。日本茶のおいしさや健康効果に世界からも注目されています。今回は、健康やダイエット、肌にもうれしい、いつものメニューにひと工夫する簡単お茶レシピをご紹介しましょう。

  • ダイエットや肌のたるみ防止などにおすすめなお茶レシピ

新茶はリラックス効果がある

5月頃に摘まれる新茶は、二番茶、三番茶とは異なる特別な香りや栄養成分があるといわれています。二番茶と比べて、濃い香りと優しい甘みが特徴ですが、これはアミノ酸の一種であるテアニンという、うま味成分が豊富に含まれているからです。テアニンには、副交感神経を優位にして、興奮や緊張を解いて、脳をリラックスさせる働きがあります。そのため、血圧の上昇の抑制や、ストレスを和らげる作用、睡眠の質を改善することにもつながるといわれています。4月から新生活が始まる人、新型コロナウイルス感染症によって、緊張感のある生活やストレスを感じている人にも、リラックス効果のある緑茶を飲むのはよいでしょう。テアニン入りの水溶液を摂取すると、40分くらいで脳波にアルファ波が出るという研究結果もあり、さらに40分後には、副交感神経の活性度が増すこともわかってきています。テアニンをしっかり取りたいときは、水出し茶がおすすめです。低温で抽出することで、渋み成分のカテキンが少なくなり、テアニンによるうまみがより強く感じられます。

緑茶の香りに、ほっと癒される人も多いのではないでしょうか。緑茶の中には香りの成分が約300種類もあるといわれています。とくに新茶には青葉アルデヒドという成分が多く含まれていて、疲労回復作用があり、作業効率を持続させる集中力を促すともいわれています。

緑茶を飲むと免疫力を高める!?

緑茶でうがいをすると風邪の予防になる、といった話を聞いたことがあるのではないでしょうか。緑茶効果について研究が進み、緑茶を飲む習慣が死亡リスクを減らして、長寿につながるといった研究結果もあります。緑茶の健康効果で注目される成分はカテキンです。カテキンは植物に数千種類あるともいわれるポリフェノールの一種で、緑茶の渋みの主成分です。ダイエットや、血圧、血糖値を抑える働き、抗菌、抗ウイルス作用などさまざまな効果が期待されています。

カテキンの特徴として、吸着性が強いことがあげられ、虫歯菌にくっつき増殖を抑えたり、ウイルスへの体内への侵入を防いだりすることや、ウイルスの体内への侵入を防ぐことにつながるといわれています。また、腸内の環境を整えることや、体内で生まれる活性酸素を消去する、抗酸化機能もあり、ストレスや紫外線、疲労などによって発生する、活性酸素を消去する作用があると期待されています。

緑茶はダイエットにもおすすめ

緑茶に含まれるカテキンには、急須でいれた緑茶4~5杯程度を飲むと、体脂肪を減らす効果があるといわれています。継続的に、毎日の食生活にとりいれることで、効果が期待できますから、水分補給の一つとして飲むのもよいでしょう。緑茶にはフラボノイドという抗菌成分も含まれていますから、虫歯や口臭予防に役立ち、食後に1杯飲むのもおすすめです。

今回は、飲むだけでなく、食べられる簡単レシピをご紹介しましょう。

鮭の和風アクアパッツァ
<材料>2人分
あさり殻付き   200g
にんにく     1かけ
ミニトマト    4個
鮭切り身     2切れ
オリーブ油    小さじ2
茶葉       5g
酒        大さじ4
濃口しょうゆ   大さじ1
みりん      大さじ1
塩        少々
こしょう     少々

<作り方>
1:あさりはよく洗ってから塩水に浸して砂抜きする。にんにくはみじん切りにして、ミニトマトはへたをとる。鮭は両面に塩を小さじ1/3程度ふり、5~10分間おいてなじませる。塩がなじんで水けが出たら、紙タオルで軽く抑えるように拭き取る。
2:鍋にオリーブ油を入れ、鮭の皮側から焼き、焼き色がついたら反対側はさっと焼く。1のにんにくを炒め、あさり、ミニトマトを入れ、酒、濃口しょうゆ、みりんを加えて、茶葉をふりかける。蓋をして火にかけ、10分ほど蒸し煮にして、塩、こしょうで味をととのえ、器に盛り付けたらできあがり。

からだにもダイエットにもうれしいお茶の成分を食生活に取り入れて、ぜひ続けてみましょう。