五代は、貿易による富国強兵を唱えて渡英し、留学中にパリ万国博覧会の情報をいち早く得て薩摩藩として参加。この時、幕府側の一員として参加していたのが渋沢栄一(吉沢亮)で、後に2人は「西の五代、東の渋沢」と称される実業家となる。

ディーンは「史実として『西の五代、東の渋沢』と言われているように、日本の近代化の中で両極をなすような役割だったと思う。そこが朝ドラのときよりも明確に打ち出されている気がします。新しい時代を作っていく中で、同じビジョンを持った人たちが違う環境の中で切磋琢磨してお互い競い合うことで高め合う。そういう役割を『青天を衝け』の五代友厚は担っているのかなと感じています」と捉えている。

『あさが来た』の五代はスマートな紳士という印象が強かったが、『青天を衝け』の五代は「ワイルド」とのこと。撮影初日に朝ドラのときとの違いを感じたそうで、「アプローチが違うなと。新しいことに挑戦しているというワクワク感を自分の中で明確に感じました」と振り返る。

その初登場シーンが『青天を衝け』の五代を象徴しているという。「ここまで野性味あふれる、型にハマらないキャラクターとして描かれるのはワクワクしました。朝ドラのときにはなかったシーンや演技で、ここまで開放していいのだと、最初のシーンで気づかされました」。

さらに、「朝ドラのときよりだいぶワイルドで、古いしきたりをさわやかに捨て去り、太陽の光や風が突き抜けていく感じで新しい時代を予感させる演出だったので、まったく違うプロジェクトだなと改めて思いましたし、やりがいのある役回りをいただけたなと感じました」と述べた。

ちなみに、衣装や髪型も朝ドラのときとは「全く違う形になっている」とのこと。言葉の違いもあるそうで、「『あさが来た』のときは関西弁が多かったですが、今回は日本語においては薩摩弁が基本で、あとは外国語を話しています」と説明した。