羽生九段と佐々木五段は最終戦で直接対決

藤井聡太王位への挑戦を目指す、お~いお茶杯第62期王位戦(主催:新聞三社連合)の白組、▲佐々木大地五段(2勝1敗)-△永瀬拓矢王座(3勝0敗)戦が4月27日に東京・将棋会館で行われました。結果は111手で佐々木五段が勝利。これにより、3勝1敗で永瀬王座、佐々木五段、そして羽生善治九段が並んで最終戦を迎えることになりました。本記事では3者の優勝条件、残留条件をまとめます。

最終戦の対戦カードは以下の通りです。

▲佐々木大地五段(3勝1敗)-△羽生善治九段(3勝1敗)
▲永瀬拓矢王座(3勝1敗)-△近藤誠也七段(2勝2敗)
▲池永天志五段(1勝3敗)-△長谷部浩平四段(0勝4敗)

最終戦で1敗同士の対決、▲佐々木五段-△羽生九段戦が組まれており、この対局の勝者は最低でもプレーオフに進出できます。永瀬王座が近藤七段に敗れれば無条件優勝。永瀬王座が勝利すると永瀬王座とのプレーオフで優勝が決まります。

次に残留条件を見ていきます。王位リーグは6人中4人が陥落する厳しいリーグ。同星で複数人が並んだ場合は、直接対決の結果をまず見て、それでも決まらない際には前期成績で残留者を決定します。

分かりやすいのが永瀬王座が最終戦で勝利した場合。このときは▲佐々木五段-△羽生九段戦の敗者が陥落となります。

永瀬王座が敗れた場合は、▲佐々木五段-△羽生九段戦でどちらが勝利するかによって話が変わってきます。

まずは羽生九段が勝利したパターンを見ていきましょう。3勝2敗で並ぶのは、永瀬王座、近藤七段、佐々木五段の3人。直接対決で佐々木五段は永瀬王座、近藤七段に勝利しているため、佐々木五段の残留となります。

佐々木五段が勝利したパターンでは、永瀬王座、羽生九段、近藤七段が並びます。この三者の対戦成績は三すくみの関係となっているため、直接対決の結果では残留を決めることができません。次に前期成績で判断することになり、前期リーグ戦で5勝0敗の成績を残した永瀬王座の残留となります(羽生九段は4勝1敗、近藤七段はリーグ入りならず)。

以上をまとめると以下のようになります。

【永瀬王座】
最終戦勝利:プレーオフ
最終戦敗北:佐々木五段勝利で残留、羽生九段勝利で陥落

【羽生九段】
最終戦勝利:永瀬王座敗北で優勝、永瀬王座勝利でプレーオフ
最終戦敗北:陥落

【佐々木五段】
最終戦勝利:永瀬王座敗北で優勝、永瀬王座勝利でプレーオフ
最終戦敗北:残留

今期が4期連続4度目の王位リーグ参加の佐々木五段が、ついに残留以上を確定させました。一方、王位のタイトル保持期間も含め29期連続で王位リーグ以上に在籍している羽生九段は、自身が勝利しないと陥落、大記録が途絶えてしまいます。

注目の最終戦は5月7日に対局予定です。白組優勝者はその日に決まるのでしょうか、それともプレーオフに持ち込まれるのでしょうか。

王位戦挑戦者決定リーグ白組のリーグ表
王位戦挑戦者決定リーグ白組のリーグ表