福間香奈女王に西山朋佳女流三冠が挑戦する第19期マイナビ女子オープン五番勝負は、挑戦者リードで迎えた第4局が5月19日(火)に東京・将棋会館で行われました。対局の結果、力戦調の対抗形で序盤からリードした福間女王が91手で勝利。快勝で2勝2敗のタイに戻し、タイトルの行方は最終第5局にもつれ込みました。
意表の全力急戦
敗戦となった前局から3週ほど空いての対局、先手となった福間女王は気分も新たに序盤に工夫を凝らしました。西山女流三冠の向かい飛車を見て居玉のまま左銀を繰り出したのが攻めに全振りした意表の速攻。二人の間のトレードマークともいえる相振り飛車はこの日は封印され、開始わずか11手目にして歩がぶつかる大乱戦が幕を開けました。
ともに囲いを完成させる前に右辺で戦いが本格化します。向かい飛車特有の飛車先逆襲は意にも介さず、強く銀を取って攻め合いに舵を切ったのが福間女王の決断でした。右辺からの突破は確実となり、あとは駒損の後手が暴れてくるのを抑え込めればという展開。このあとも福間女王は急所で手が伸び、形勢の針はここから一気に居飛車側へと触れ始めます。
攻めさせて勝つ快勝譜
金底の歩一本で振り飛車の攻めをシャットアウトした福間女王は満を持して反撃開始。直後、銀取りに歩を打たれた局面はバランスを保つのが難しそうでしたが、ジッと歩を打って竜を追ったのが福間女王のスマートな回答でした。平凡に見えて繊細なこの対応により抑え込みが完成し、西山女流三冠は局後「苦戦を意識した」と認めるよりありませんでした。
優勢を築いてからの福間女王の指し回しは安定そのものでした。丁寧に相手の反撃の芽を摘んで駒得を拡大すれば逆転の可能性は限りなくゼロに近づいていきます。終局時刻は15時52分、最後は形勢の開きを認めた西山女流三冠が投了。意表の急戦策から相手の無理攻めを誘い、最後まで力を出させなかった福間女王の強さが光る快勝譜となりました。
注目の第5局は5月29日(金)に東京・将棋会館で行われます。
水留啓(将棋情報局)
