健康志向がますます高まるなか、整腸作用や美容効果、免疫力アップ効果が期待できる発酵食品は注目を集める一方だ。納豆、ヨーグルト、キムチ、きのこ類…これらのうち、発酵食品を意識的に食べ、体に良い菌を摂取する“菌活”を心がけている人も多いのでは。

  • 小豆+麹の進化系あんこ「発酵あんこ」を手作りする人が続出!

ここ数カ月でメディアでも取り上げられるようになったのが、小豆を麹で発酵させる「発酵あんこ」だ。あんこといえば通常は小豆と砂糖を使った和菓子に使われる食材。砂糖をたくさん使うため、洋菓子ほどではないものの、糖質やカロリーを気にして食べることに罪悪感を持つ人もいるかもしれない。

その点、発酵あんこは甘味があるのに砂糖を使っていない。麹甘酒を飲んだことがある人はイメージしやすいかもしれないが、甘さの元となるのは麹。麹はやさしい自然な甘さを引き出す力を持っており、小豆と組み合わせて発酵させることで、砂糖を使わなくても甘いあんこを作ることができる。通常のあんこと比べて糖質とカロリーが劇的に低くなるわけではないが、麹が持つアミノ酸やビタミン類などの栄養をしっかり摂取することができるので、甘い物が欲しいときも発酵あんこなら罪悪感は軽くなる! というわけだ。

発酵あんこは小豆と麹、そして炊飯器があれば簡単に作ることが可能。調理に時間はかかるものの、おうち時間が増えたことで自宅でもチャレンジしてみる人が続出している。今回は、話題の発酵あんこのレシピ本「発酵あんこのおやつ」(WAVE出版)を参考に筆者も自作してみた。

  • 著・木村幸子、監修・藤井寛(発酵あんこ研究家)「発酵あんこのおやつ」(WAVE出版)を参考に、レッツトライ!

材料は小豆と米麹のみ! 炊飯器で長時間発酵

  • 小豆200g、乾燥した米麹200g(生麹の場合は250~260g)。どちらもスーパーで簡単に手に入る

生の小豆を茹でることが難しいと感じる場合は、ゆで小豆を使ってもいいそうだが、今回は生の小豆で始めてみることにした。

「発酵あんこ」の基本レシピはこちら。

①:鍋に小豆がしっかり浸るくらいの水を張り、火にかけて、沸騰させたまま2分茹でる。2分経ったら茹で汁を捨て、ザルで小豆を濾す。
(これを小豆の「渋切り」という。小豆には本来独特の渋みがあるので、それを軽減しておいしく仕上げるためのコツだ)
②:水を切った小豆と水600mlを入れ、総重量を800gくらいにしてから、炊飯器の「おかゆ」モードでスイッチオン。
③:おかゆモードが終了したら計量し、総重量が700~750gになるようにする。水分が飛びすぎていたら水を加えてもOK。
④:温度計を使って60度前後になるまで冷やしてから、米麹を砕いて加え、よく混ぜる。
⑤:④を炊飯器にセットし、蓋を開けたまま布巾をかぶせて8~12時間保温にして発酵させる。2~3時間おきに混ぜるのがポイント。

(※細かいコツもあるので、実際に作る際はぜひレシピ本をご参考に)

  • この状態で2~3時間おきに混ぜる必要があるので、ゆっくりできるおうち時間で挑戦するのがおすすめ

果たしてうまくできたのか? 完成した「発酵あんこ」を試食

炊飯器での発酵を始めたとき、蓋を開けたままだと乾燥するのでは? と少し不安だったものの、2時間後に混ぜてみると発酵が進んでいるのか、意外としっとりとしている。麹の香りもふんわりと立ち上り、うまく発酵しているようだった。でもこの時点では小豆と麹がまだ粒のままで、これがあんこというほど柔らかくなるのか? とも思えた。

何度かかき混ぜる工程を経て、12時間発酵させた状態がこちら。

  • 発酵あんこ完成!  通常のあんこよりは色が薄く、白い麹の粒が見えるものの、しっとりとしたペースト状になった

麹の優しく甘い香りがする発酵あんこが完成。味見をしてみると、思ったよりもしっかり甘みがあって通常のあんこに近い! 豆の食感がしっかり残っているだけでなく、小豆本来の味わいを感じることができる素朴なおいしさだ。砂糖が入っていないということがにわかには信じられない。麹は独特の香りがあるが、小豆と相性が良く、全く嫌な香りに感じなかった。ちなみに、粒感が気になる場合は、完成したものをフードプロセッサーにかければなめらかな舌触りになるそうだ。

筆者は手軽なアレンジとして、トーストしたパンに発酵あんことバターをトッピングした、あんバタートーストを試してみた(本記事冒頭写真)。バターの風味・コクと、発酵あんこの優しい甘みがよくマッチして、さっぱりとして甘すぎないのがとてもおいしかった。豆の風味が生きているので、より素材感が感じられる。これが砂糖不使用で菌活にもつながるというのなら、毎日でも食べてしまいそうだ。

レシピ本には同様に、小豆以外の豆で作るあんこや、発酵あんこの洋菓子アレンジなども紹介されているので、気になる方はぜひチェックを。

手軽に試したいなら市販品の「発酵あずき」も

作るのは難しそう、発酵させる時間がないという人には、北海道の農場で作られている便利な瓶入りの市販品もあるので紹介しておこう。

  • A−Netファーム十勝 森田農場「北海道 発酵あずき」(80g/888円、要冷蔵)

こちらも麹の甘さと小豆の旨味を感じられる味になっていて、舌触りは自作の発酵あんこより滑らか。普通のあんこにより近い自然な味で、「『想像以上に甘くて癖になる』と評判です」(同社専務取締役 森田里絵さん)とのこと。

甘い物をどうしても食べてしまう、という人にとって、砂糖不使用で菌活もできる発酵あんこは、見逃せない“進化系あんこ”といえる。自粛太りは気になるが、甘いものは食べたい……そんなときに、発酵あんこを健康維持に役立ててみては。