「獅子奮迅」という四字熟語の意味や読み方をご存知ですか? ビジネスシーンや日常生活で耳にしたことがあっても、「実はよくわかっていない...」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、獅子奮迅の意味や使い方・例文、由来などを解説します。さらに、類語や対義語、英語表現についてもご紹介。正しい使い方を知り、ビジネスシーンや日常生活で活用できるようになりましょう。

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    獅子奮迅の正しい意味は何でしょうか

「獅子奮迅」の意味・読み方

獅子奮迅とは、「勢いよく何かに取り組むさま」を意味します。

獅子が獲物を狙う時に奮い立って猛進する様は、勢いがあり力強いです。そのため、勢いよく仕事で活動することを表す際や、華々しい活躍の表現として使われています。

「獅子奮迅」の由来

獅子奮迅は、仏教の大乗経である「法華経」や「大般若経」にある言葉です。元は「お釈迦様が情熱的に勢いのある説法や行動をしたことによって、聴衆や外道の方を圧倒する様子」を意味していました。

獅子が獲物を狙い猛進する様子は、周囲を圧倒する勢いがあり、その獅子のイメージと周囲を圧倒するほどのお釈迦様の情熱的な活動が重なったと言われています。

現在はお釈迦様だけではなく、獅子のように活躍する個人に対しても使われる四字熟語です。

読み方は「ししふんじん」

獅子奮迅の読み方は「ししふんじん」です。初見で読むには少し難しいですが、一度見聞きすれば覚えられるのではないでしょうか。

一方、漢字は一度見ただけで覚えるにはやや難しいので、読み間違いよりも漢字の書き間違いに注意が必要かもしれません。意味や由来を理解していれば自ずと漢字が思い浮かぶので、しっかり覚えておくと役立つでしょう。

「獅子奮迅」の使い方・例文

ビジネスシーンにおいて獅子奮迅は、通常ではないような強い勢いで仕事がなされた時に使います。また、スポーツで活躍した時に使われることも多いです。

獅子奮迅の活躍

  • 社員一丸となった獅子奮迅の活躍で、倒産の危機を脱した。
  • 今回のワールドカップで日本代表は獅子奮迅の活躍を見せた。

獅子奮迅の働き

  • 今回の企画は彼が獅子奮迅の働きをしてくれたから成功した。
  • 獅子奮迅の働きをする新人の営業成績が、社内で1番になった。

上記の例文のように、情熱的に奮闘していることをアピールする時に使うと効果的です。

  • 書き留めている様子

    獅子奮迅の由来や使い方を知りましょう

「獅子奮迅」の類語・言い換え表現

獅子奮迅の類語・言い換え表現について紹介します。状況に応じて使い分けできれば、より分かりやすく相手に伝えられ、印象もよくなるでしょう。

激動

「激動」は、状況や事態が激しく変化する様子を表す言葉です。ただし激動には、主体的な意志によって事態を動かすというより、困難や波乱に流されるというネガティブな印象もあるので、使用する際は注意しましょう。

猛烈な勢い

「猛烈な勢い」は、物事の程度が大きい様子を表す言葉です。獅子奮迅より堅苦しくなく、日常会話の中でも使いやすい言い換え表現になります。

<例文>

  • あの方の猛烈な勢いに押されて皆の意気が上がった。

疾風怒濤

疾風怒濤(しっぷうどとう)は激しく吹く風と荒れ狂い打ち寄せる波の意味で、時代や状況が大きく変わる様子を表します。ドイツ語の「シュトゥルム ウント ドラング」の日本語訳です。また、18世紀後半のゲーテを中心にした文学革新運動を指す言葉でもあります。

主体的というよりも、時代や環境による困難という印象もあるので「疾風怒濤のごとく」と補うなど、使用するときは文脈に注意しましょう。

関連記事: 「疾風怒濤」の意味とは? 正しい読み方や言葉の由来・例文・類語などを解説

猪突猛進

猪突猛進(ちょとつもうしん)は、周囲の方や状況を考えずに突き進むことを表す言葉です。猪が勢いよく目的に向かって行く様子が元になっています。

他を省みず、目標に猛進することを表しているため、獅子奮迅よりもネガティブな印象を与えることもあるので正しく使い分けましょう。

関連記事: 「猪突猛進」はマイナスイメージ? 正しい意味を知って使いこなそう

面目躍如

面目躍如は、「めんもくやくじょ(めんぼくやくじょ)」と読み、生き生きとしている様を表し、周囲の期待にも応えている状態を指す言葉です。

勢いのある行動を強調していない点が獅子奮迅とは異なっていますが、「その方が本来の活躍をしている」という意味で似た言葉になります。活動している状態よりも、その方らしい成功をした結果の方に重点が置かれる場合に使いましょう。

関連記事: 面目躍如とは? ビジネスシーンにおける使い方や例文も紹介

勇往邁進

勇往邁進(ゆうおうまいしん)は、困難にもひるまず、1つの目的に一心不乱に進むという言葉です。また、迷いなく目標や目的に正々堂々と突き進むことを言います。

行動の勇猛さとまっすぐに前進していく様子から、獅子奮迅の類語として使いやすいです。

関連記事: 「邁進」の意味や読み方とは? 「精進」との違いや類語・使い方も解説

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    獅子奮迅の類語や言い換え表現を臨機応変に使い分けましょう

「獅子奮迅」の対義語

獅子奮迅の対義語として、「春風駘蕩」と「悠々閑々」についてご紹介します。

春風駘蕩

春風がのどかに吹く様子を表し、穏やかで、物事に動じずのんびりしている人柄や状態のことを表す言葉です。読み方は「しゅんぷうたいとう」です。勢いよく行動し、活躍する状態を表す獅子奮迅とは反対に、ゆったりしている状態を指します。

ビジネスのシーンで例えると、春風駘蕩は「焦らずチャンスを待つ状態」、獅子奮迅は「機会を逃がさず行動する時」を表す際に使用できます。

悠々閑々

のんびりして急がず過ごすことを意味する言葉です。読み方は「ゆうゆうかんかん」と言います。落ち着いて気長に構えている状態なので、獅子奮迅の勢いよく活動している意味とは逆になります。

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    獅子奮迅の対義語は穏やかでのんびりした意味です

「獅子奮迅」の英語表現

獅子奮迅を英語で表す場合は、「獅子」を意味する「Lion」を使うのは相応しくありません。「猛烈、圧倒的な力」という意味の「furiously」や「with irresistible force」などを使う方が自然です。

furiously

「furiously」は、「猛烈に」という意味の英単語です。奮迅のニュアンスを表すのに良い単語ですので、使い方を覚えておきましょう。

<例文>

  • The team has been working furiously.(チームは猛烈に働いています)

with irresistible force

「with irresistible force」は、「圧倒的な力で」という意味です。獅子が全力で戦っているような様を表すのに適した表現と言えます。

<例文>

  • We continued to win with irresistible force.(私たちは獅子奮迅の活躍で勝ち続けた)
  • 屋外で新聞を読むサラリーマン

    獅子奮迅の英語表現は?

「獅子奮迅」の意味や使い方を理解しよう

獅子奮迅は、獲物を狙い定めて猛進する獅子のように、情熱的に行動することを表す言葉です。ビジネスシーンにおいては、ポジティブな印象を相手に与えることが可能な言葉ですので、正しく使用できるようになりましょう。