JR東日本は首都圏エリアに車両の入換作業および回送列車牽引用の新型車両E493系、高崎エリアに砕石輸送・砕石散布作業用の新型車両GV-E197系を先行投入する。このうち、E493系が平日の日中時間帯に試運転を行い、常磐線を往復した。

  • 事業用電車の新型車両E493系が常磐線で試運転

車両の入換作業や回送列車の牽引に関して、同社はこれまで国鉄時代に製造された機関車を使用していたが、老朽化が進んでいることから新型車両を投入することとなった。

E493系は2両編成(E493形・E492形)の事業用交直流電車で、最高運転速度は100km/h。電車方式の採用により、機関車特有のメンテナンス方法や運転操縦を廃し、効率的なメンテナンスができるようになる。交直流切替方式により、電化区間であれば交流・直流問わず走行可能。量産先行車の1編成を首都圏エリアに先行投入しており、取手~藤代間を境に電化方式の異なる常磐線で、平日の日中時間帯に試運転を実施していた。

  • 首都圏エリアに先行投入されたE493系は2両編成の交直流電車

  • 高崎エリアに先行投入されたGV-E197系は6両編成(牽引車2両、ホッパ車4両)の電気式気動車

一方、砕石輸送・砕石散布作業用の新型車両GV-E197系は6両編成(牽引車GV-E197形2両・ホッパ車GV-E196形4両)の電気式気動車で、最高運転速度は100km/h。電化区間・非電化区間を問わず走行でき、これまで使用されてきた機関車・貨車特有のメンテナンス方法や運転操縦を廃し、効率的なメンテナンスが可能となる。編成の両端に運転台があるため、機関車の入換作業も不要に。量産先行車の1編成を高崎エリアに先行投入しており、非電化区間における車両の入換作業や回送列車の牽引用にも使用されるという。

E493系は交直流電車、GV-E197系は電気式気動車という違いがあるものの、車体前面のデザインは共通しており、黄色を基調に緑色・黒色のラインを配している。両形式とも性能評価や技術的検証を実施し、運用エリアについても検討の上、本格的に運用を開始する予定とされている。