アンテナショップ主催のオンラインイベント

島根県のアンテナショップ「日比谷しまね館」。特産品や物産を販売・紹介するだけでなく、観光・移住などの情報を発信し、さまざまなイベントも実施しています。ここでは、新しい試みとして始めたオンラインイベントの内容を紹介しましょう。

  • 右上=島根県ふるさと親善大使「遣島使」の西村愛さん、右下=フォトグラファーの佐々木哲平さん、左下=島根県奥出雲町観光協会のサミーラ・グナワラデナさん、左上=司会者

そのオンラインイベントは「しまね館の縁結び」という名称で、2月14日に1回目が始まり、今回で3回目となります。オンライン会議ツール「Zoom」を使い、現地の人や島根ゆかりの人がガイド役となり、知られざる魅力を教えてくれました。

島根郷土料理の代表格「出雲そば」

ゲストスピーカーは、島根県ふるさと親善大使「遣島使」・出雲観光大使の西村愛さん、島根県奥出雲町観光協会所属・観光プロデューサーのサミーラ・グナワラデナさん、フォトグラファーの佐々木哲平さん。

司会者から今回のイベントの紹介がなされた後に、紹介を受けて話し始めたのが、トップバッターの佐々木さん。

さすが、プロのフォトグラファーらしく、美しい写真を交えての紹介となりました。やっぱり、オンラインイベントでは写真や映像で、視聴者に魅力を訴求することが重要です。特に、島根の郷土料理の一つ、「出雲そば」を紹介するコーナーは、おいしそうな料理写真がたくさん登場しました。

  • 島根の郷土料理の一つ「出雲そば」

出雲そばは、「割子(わりご)」という3段重ねの器で提供されることが大きな特徴です。そばに薬味を入れ、つゆをそばにかけて食べる流儀も独特です。店ごとにそばの打ち方、つゆの味、器や盛りつけなどのスタイルが多彩なのが興味深いところ。

  • 味だけでなく、器や薬味を比べるのも一興

出雲そばは、3段重ねの朱塗りの器で提供されるのが一般的ですが、こちらは陶器で緑色。島根に行ったら、出雲そばの食べ比べをしてみたいものです。

美食の宝庫、奥出雲の魅力

ゲストスピーカーの一人、サミーラ・グナワラデナさんは、スリランカ出身。日本人の奥様と結婚し、島根に移住し、観光業に従事しています。サミーラさんは、奥出雲町観光協会所属ということで、奥出雲を熱烈推薦!

日本で2番目に人口の少ない島根県、つまり旧国名「出雲国」でもさらに奥の「奥出雲」ってどんなところ……!? とイメージもつきませんでしたが、島根愛あふれるサミーラさんのトークですっかり引き込まれました。

まず、仁多米(にたまい)。奥出雲町は、1,300年以上前から古来の製鉄法「たたら製鉄」で栄えてきた地域。鉄の原料となる砂鉄を取るために山を切り崩した跡地を棚田に再生し、牛糞や山草などから作られた堆肥を利用して生産する地域ブランド米です。

  • 奥出雲町のたたら製鉄由来の農業は、世界農業遺産申請中

  • 味や香りに優れ、全国的に人気のある仁多米

「2合入りのミニパックも販売しています。イベントでサンプルとして配ったりするのにちょうどいいサイズです。お試しとして買っていただき、味を気に入ったらぜひまた買ってください」とサミーラさん。

卵かけご飯専用醤油発祥の地?

サミーラさんが紹介してくれた中で、意外性があって面白かったのが醤油。ご飯に生卵をのせ醤油をかける「卵かけご飯」専用の醤油がブームになり、すっかり定着しましたが実は、奥出雲地方の雲南市吉田町(旧・吉田村)が日本で最初に製造しました。地元の養鶏業者から、「卵と一緒に売れる商品はないか」と相談されたことがきっかけで誕生したのが、卵かけご飯専用の醤油「おたまはん」なのです。

奥出雲町産の醤油をベースに、鹿児島県産のかつおだし、愛知県産のみりんが絶妙なバランスで配合され、卵の生臭さを消しつつ、本来のおいしさをしっかりと引き立ててくれます。

島根県ふるさと親善大使「遣島使」・出雲観光大使の西村愛さんも、「奥出雲には、味がいいと評判の養鶏所もあるので、卵も醤油もセットでそろいますね」と、誇らしげに紹介してくれました。

●information
日比谷しまね館
東京都千代田区有楽町1-2−2 日比谷シャンテB1
※記事内で紹介した仁多米などの取り扱いあり