体によい成分として注目されているファイトケミカル。必須の栄養成分ではありませんが、健康維持や美容にもよい作用をすることがわかっており、ぜひ摂取したい重要な成分とされています。このファイトケミカルが含まれているのは、野菜や果物など植物の食材です。今回は、料理にも取り入れやすく、栄養がたっぷり含まれるスプラウトをご紹介しましょう。

  • 栄養たっぷり"スプラウト"レシピ

ファイトケミカルは体をさびから守る

ファイトケミカルの体によい作用の中で、最も期待されているのは抗酸化力です。私たち人間は、呼吸の際に酸素を利用していますが、この酸素の一部は活性酸素やフリーラジカルという体内の成分と反応しやすい状態になります。活性酸素やフリーラジカルは、タンパク質と反応することで機能を損なったり、脂質を酸化させてしまい、遺伝子の損傷を引き起こしてしまいます。これらが、老化やがん、動脈硬化、生活習慣病といったさまざまな原因になることがわかってきています。抗酸化作用がある食事をとることで、酸化を防ぎ、老化や病気のリスクを低下させることが期待されています。フィトケミカルを大きく分類すると、ポリフェノール、含硫化合物、カロテノイド、テルペン類、多糖類の5種類に分けられます。

ファイトケミカルをもつスプラウト!

アンチエイジングに役立つファイトケミカルは、スプラウトに含まれています。スプラウトとは、さまざまな植物の新芽のことです。大きくわけると2種類あり、緑豆もやし、黒豆もやし、大豆もやしなどのもやし類と、豆苗、かいわれ大根、ブロッコリースプラウト、青じそスプラウトなどのかいわれ類です。

スプラウトは、成長していくためにいろいろな成分などが濃縮されて入っています。成熟すると、植物は大きくなり、含まれている栄養成分が植物全体にいきわたることで、薄まってしまいます。スプラウトを選んで食べることで、カルシウムなどのミネラルやビタミン類なども成長した野菜よりも効率よくとることができます。

スプラウトは取り入れやすい!

いろいろな植物の芽であるスプラウトは、生で食べることもでき、料理に取り入れやすい食材です。サラダに足したり、刺身の薬味として食べたり、スムージーにするのもおすすめです。その中でもおすすめなのは、ブロッコリースプラウトです。ブロッコリーは約200種類ものファイトケミカルを含むことが知られており、抗酸化力が強い野菜です。なかでも含硫化化合物であるスルフォラファンは、がん予防にも役立つ成分として注目されています。スルフォラファンは、女性ホルモンの代謝を行っている肝臓の解毒酵素に働きかけて、発がん性物質の生成を減らそうとすることで、乳がん、前立腺がんなどの性ホルモンと関係がある各種がんの予防効果が期待されています。

ブロッコリースプラウトは、ブロッコリーの7倍ものスルフォラファンを含んでいるといわれ、さらにブロッコリースプラウトよりも多くスルフォラファンを含み、ブロッコリーの20倍ともいわれる、ブロッコリースーパースプラウトもあります。

スルフォラファンを効果的にとり、吸収力や効果をアップするためには、生でよく噛んで食べることです。また、ぶどうやリンゴに含まれるポリフェノール、魚や鶏肉に含まれるセレンなどといっしょに食べ合わせると、抗酸化作用がさらにアップすることが期待されます。

今回は、簡単に作れるスプラウトのサラダをご紹介しましょう。

スプラウトと鶏肉のさっぱりサラダ
<材料>2人前
ブロッコリースプラウト  20g
玉ねぎ          1/2個
鶏ささみ         1本
酒            大さじ1
ぽん酢しょうゆ      適量
ごま油          大さじ1

<作り方>
1:玉ねぎはスライスして水にさらし、水けを切る。鶏ささみは酒をふってラップをして、電子レンジ600Wで2分加熱して、あら熱がとれたら、手でさいておく。
2:1とブロッコリースプラウトを合わせる。
3:2にぽん酢しょうゆ、ごま油をあえて、皿に盛り付けたらできあがり。

タンパク質とお野菜をいっしょにとれるおかずサラダです。よく噛んで食べ、栄養をしっかりいただきましょう。