• 畳の性質に合う掃除方法や清潔に保つコツを紹介します

    畳の性質に合う掃除方法や清潔に保つコツを紹介します

畳掃除にはタブーとされている方法があります。間違った方法で掃除してしまうと、畳を傷める原因になります。また、使い方次第でカビやダニの原因にもなり得ます。そこで畳を清潔に保つために、掃除する際のポイントや注意点、普段の生活で心掛けたいことなどをまとめました。

畳の基本的なお手入れ方法の手順を紹介

  • 日常的な畳のお手入れ方法は?

    日常的な畳のお手入れ方法は?

畳をできるだけ清潔に保つためには、普段からお手入れを行ってください。日常的な畳のお手入れでは何をすればいいのか、把握していきましょう。

畳の目に沿って、掃除機やほうきなどでほこりを取り除く

まずは畳の上や隙間にあるほこりを取り除きましょう。掃除機や乾燥したモップ、畳用のほうきを使うと効率的です。畳の目に沿って掃除機やほうきをかけていき、大きなほこりを取り除きましょう。

畳が傷んでしまったり、目のスキマやヘリにゴミが挟まったりしてしまいますので、必ず畳の目に沿って掃除してください。

  • 畳の目に沿ってほうきや掃除機をかけほこりを取り除きましょう

    畳の目に沿ってほうきや掃除機をかけほこりを取り除きましょう

畳の表面を雑巾などで乾拭きする(水拭きは汚れがひどいときのみに)

掃除機やほうきで取り除けるほこりを掃除した後は、雑巾や掃除用シートを使って、細かい汚れやほこり、皮脂汚れなどを取り除いていきます。基本的には乾燥した雑巾やシートを用いて、畳の表面を乾拭き(からぶき)しましょう。畳専用のシートも市販されています。

畳は水分を吸い取りやすいので、もし水拭きする場合は雑巾をかたくしぼってから拭いて仕上げましょう。また、水拭きするのは汚れがひどい場合だけにしてください。

これが、基本のお手入れ方法です。

飲み物など色つきの液体をこぼした場合の対処法

お醤油やジュースなど、色つきの液体をこぼしてしまうと、拭き取るだけだとシミができてしまいます。

まずは水分を取り除いた後は、塩を振って汚れと水気を吸収させましょう。その後歯ブラシで優しくこすると、汚れが出てきます。雑巾にお酢をしみこませて拭き取った後、最後に乾拭きしてください。

畳部屋にカビが生えてしまった場合の掃除方法

畳部屋に湿度がこもった状態でお手入れをせずに使い続けると、カビが生えてしまうことがあります。畳のカビをどのように取り除けばいいのか、見ていきましょう。

アルコールを用いる

畳のカビを掃除するには、エタノールが含まれている消毒用アルコールが便利です。消毒用アルコールは、ホームセンターやドラッグストアなどで購入できます。

エタノールは揮発性が高く、畳を傷めずに除菌や消毒できます。アルコールで拭き取ったら、水拭きはしなくて構いません。

畳専用の洗剤やクエン酸を使う

カビなどの畳の汚れを拭き取るだけでは、カビの発生源までは取り除けていないことも多いです。畳専用の洗剤や掃除シート、クエン酸などを用いて掃除することで、カビのもとから取り除けます。

畳専用洗剤や掃除シートの中には、防カビ成分を配合していて、今後のカビまで抑制できるものもありますので、比較して選びましょう。

  • 畳専用の洗剤や掃除シートクエン酸を使うといいでしょう

    畳専用の洗剤や掃除シートクエン酸を使うといいでしょう

畳専用洗剤が手に入らない場合は、クエン酸で掃除するのがおすすめです。畳に対する殺菌効果や消臭効果がありますので、カビができやすい場所の掃除に適しています。

毎回の掃除で使う必要はありませんが、汚れが気になる場合にはぜひ使ってみてください。

黒カビには重曹を用いる(ただし少量のみで、様子を見ながら慎重に)

油汚れによく用いられる重曹は、基本的には畳掃除にはNGです。重曹で掃除するとイ草を黄ばませたり、黒ずんだ汚れになってしまったりすることがあります。

ただし畳に黒カビが生えてしまった場合のみ、カビを中和してくれる重曹を使用するという方法もあります。ですが前述のように変色しやすいので、使うのは少量のみにとどめ、様子を見ながら慎重に行ってください。

畳掃除の注意点

畳掃除をする上で、やってはいけないことがいくつかあります。

粘着式カーペットクリーナー(コロコロ)はNG

粘着式カーペットクリーナーは、コロコロと転がすだけでゴミを取ってくれる便利な道具ですが、畳に使用するのは避けてください。粘着力により、畳を傷めてしまったり、イ草がほつれてしまったりする可能性があります。

ロボット掃除機はNG

ロボット掃除機は非常に便利ですが、畳掃除では畳の目に沿うことが大切なため、ランダムな動きをするロボット掃除機はNGです。畳の流れに逆らって掃除機をかけてしまい、畳を傷めてしまう危険があります。

アルカリ性のカビ取り剤や漂白剤はNG

浴室やキッチン用としてよく用いられるカビ除去剤は、基本的にアルカリ性です。畳のイ草を傷めてしまいますので、畳への使用は避けておきましょう。

畳部屋で心掛けたいこと

  • 畳は湿気がこもりやすいので通気性を保ちながら使いましょう

    畳は湿気がこもりやすいので、通気性を保ちながら使いましょう

畳の部屋は、フローリングの部屋と異なる性質があり注意が必要です。自宅に和室があるなら、ぜひ心掛けておきたい使い方を紹介します。

こまめに換気をする

畳は天然素材のイ草でできていて、湿度を吸収しやすい性質があります。湿気がこもっている部屋では、畳が水分を吸収しやすく、カビやダニなどが発生する原因になってしまうことも多いです。

できるだけ湿度がこもらないよう、お部屋の空気を頻繁に入れ替えましょう。

畳の上に重いものを置かないようにする

自分の部屋が和室だと、タンスやベッドなどの家具を畳の上に置いている場合もあるでしょう。しかし、重い家具を畳の上にずっと置いたままにしておくと、畳がへこんでほこりや湿気がたまりやすくなってしまいます。

カビや汚れの原因になりやすいので、畳の上に家具を置くことが避けられない場合には、マットを敷くか、へこみにくい家具を選ぶなど工夫しましょう。

布団を敷きっぱなしにしない

和室を寝室にしていると、畳の上に直接布団を敷く人は多いでしょう。しかし、ほこりは布団の上げ下ろしで発生しやすく、畳の上にほこりがたまる原因になるので、こまめな掃除が必要です。

また掃除が面倒だからといって、布団を敷きっぱなしにしていると、今度はカビやダニの発生源になります。使わない時は必ず片付けるようにしましょう。

カーペットは防湿シートの上から敷く

畳の上にカーペットを敷いて和室を使っている場合、それだけで湿気がこもりやすい状態になってしまいます。

布団の敷きっぱなし同様、カビやダニが発生する原因になりやすいですので、防湿シートを挟んで敷いたり、通気性のよいラグを選んだりして、湿気がこもらないよう工夫しましょう。

畳の素材としての特徴

  • 畳は湿度やほこりがたまりやすい性質がある素材です

    畳は湿度やほこりがたまりやすい性質がある素材です

畳は目が細かく、フローリングにはない特徴があります。効率よく畳掃除するためにも、改めて畳の素材としての特徴を知っておきましょう。

吸湿しやすい

畳は天然素材のイ草でできています。自然に空気の吸収や放出を行う性質を持っている素材であり、湿度を調節してくれる点が畳のメリットの一つです。

しかし、湿度が高くなり過ぎると、たくさんの湿気を吸収し続けてしまうこともあります。

ほこりがたまる

畳は一定の方向にイ草を編み込んでつくられています。締め付けて圧縮しながらつくられているものの、どうしても細かい隙間はできてしまい、ほこりがたまってしまうことは避けられません。

また、フローリングと同様、畳の上に大きいほこりがたまってしまうこともあります。畳掃除には、たまったほこりを取り除くことが必要です。

放置するとカビの原因になる

湿気を吸収したり、ほこりがたまったりした畳を掃除しないまま放置してしまうと、カビやダニが発生する原因になります。

特に梅雨など湿度が多い時期には、湿気を吸収し過ぎてカビやダニの原因になりやすいです。湿気は畳の大敵ですので、換気するなどの方法で、乾燥させるように意識して使いましょう。

畳は簡単にでいいのでこまめに掃除して、清潔に保つのが大切

普段和室など畳がある部屋を使っている場合、使い方や掃除方法には工夫が必要です。畳は目立たなくてもほこりがたまりやすいですので、掃除機や畳用のほうきで取り除き、雑巾やモップなどで拭き取りましょう。日常的なお手入れでは、乾いた雑巾での拭き取りで問題ありません。

また、畳は天然のイ草でつくられているので、湿気を吸収しやすい性質があります。寒いからといって部屋を閉めっぱなしにしていると湿気がこもってしまい、カビやダニが発生する原因となります。

もし畳にカビが生えてしまった場合、掃除にはアルコールや畳専用洗剤を用いるのがおすすめです。また、黒カビになってしまった場合は重曹を少しだけ使って取り除きましょう。

日本で昔から親しまれてきた畳。洋室よりも和室の方が落ち着くと感じる人も多いかもしれませんが、畳は湿度がこもりやすいので日常的な部屋の換気は必要不可欠。こまめに換気や掃除を行いながら、畳を清潔に保っていきましょう。