■「一つ一つのクオリティは確実に上がった」

彼らにしかない独創的な発想力と世界観で、観客を魅了し続けているジャルジャル。子供が生まれた時期と同じくして、働き方にも変化があったという。「子供が生まれたからというわけでもないんですが、ちょうど同じくらいのタイミングで、健康的なスケジュールで働くことを心がけるようになりました。忙しくてバタバタしているよりも、なるべく夜中までは働かないようにして、休みもきちんと取る。相方の福徳(秀介)も同じ考え方なんですよ」。

さらに「25、6歳くらいまでは、めちゃくちゃ忙しかった」と述懐。「1日を乗り越えるのがやっとというような、スケジュールで働いていましたね。明日のスケジュールもわからないような状態で、そうすると心の余裕もなくなってしまう。でもそういった経験があったからこそ、“これはちょっと考え方を変えなければいかんな”と気づくことができた。きちんと休みを取るようになってからは、もっとネタの細かいところまでこだわるようになったと思いますし、一つ一つのクオリティは確実に上がったような気がしています」と働き方改革をしたことで、「今すごく楽しいし、充実しています」と笑顔を見せる。

演じたサニーは「誰かの役に立ちたい」と奮闘するが、後藤もお笑い道を邁進することで「いつの間にか誰かの役に立っていた」と思える瞬間があると、うれしそうに話す。

「基本的には、“福徳と2人でなにかやる”ということが楽しくてやっているんですが、その結果、『YouTubeの配信、いつも楽しみにしています』とか、『これがあるから、毎日頑張れます』とコメントしてくれる方もいます。『ジャルジャルさんを知って、ライブに行ったことで救われた』というお手紙をもらったこともあります。めちゃくちゃうれしかったですし、本当にやっててよかったなと思いました」と“笑いの力”を実感し、「これから年齢を重ねても、“その年齢だからこそできるネタ”というのがあると思います。笑ってくれる人たちがいるということもやりがいに、これからも楽しんでいきたいです」と力強く語っていた。

『映画 きかんしゃトーマス おいでよ! 未来の発明ショー!』は3月26日より公開。

■後藤淳平
1984 年3月20日生まれ、大阪府出身。2003年にお笑いコンビ・ジャルジャルを結成。2007年「NHK 新人演芸大賞演芸部門」大賞。2013年「ABC お笑いグランプリ」優勝、2020 年「キングオブコント2020」優勝。三谷幸喜監督の『記憶にございません』(19)に出演するなど、俳優としても活躍している。