「きかんしゃトーマス」シリーズの劇場版最新作『映画 きかんしゃトーマス おいでよ! 未来の発明ショー!』で、声優初挑戦を果たしたお笑いコンビ・ジャルジャルの後藤淳平。悪だくみに巻き込まれてしまう機関車・サニーの葛藤を、見事に演じている。2児の父親でもある後藤だが、本シリーズは「親子2世代にわたって観ている」そうで、「子供たちが喜ぶ仕事ができるのは、うれしいですね」とにっこり。「子供が生まれてからは特に、妻に感謝することばかり」という彼が、子育てのモットーを語った。
■「子供たちが喜ぶ仕事ができるのは幸せ」
未来の発明ショーのために、世界中の発明家たちがソドー島に大集合。トーマスがショーを盛り上げようと奮闘する中、思わぬ大騒動が巻き起こる様を描く本作。後藤は、発明品を盗み出そうとする2人組バズ&バーニーに連れられて、ソドー島にやってきた機関車・サニーを演じている。
初声優のオファーを受けて、後藤は「僕も幼い頃は、学校行く前によく『きかんしゃトーマス』を観ていました。今回のお話をいただいて『ヨッシャー!』と思いながら、なんで僕を選んでくれたんやろうと意外にも感じました」と驚きもあった様子。「うちの子も観ていて、僕が『きかんしゃトーマス』の映画に出ることを話したら、ものすごく喜んでくれました。そういう仕事ができるのは、幸せですね。家には、トーマスのプラレールもありますよ! おもちゃ箱に入れておいたら、スイッチを切り忘れていたプラレールから、夜中に急に汽笛が鳴ってびっくりしたりして」と目尻を下げる。
サニーは、悪だくみに巻き込まれながらも、本当は誰かの役に立ちたいと葛藤している機関車。後藤は「人間味があるなと思いました」とサニーの印象を吐露する。
「サニーは“役に立ちたい、信頼してほしい”と思っているのに、その思いが先走ってしまって、逆に信用を失ってしまうようなところもあって。“自分のやっていることがうまく伝わらない”というもどかしさって、きっと誰もが経験しているものだと思います」と語り、「僕も芸人としてデビューして間もない頃は、なかなか結果を出せなくて。“こんなに面白いことをやっているのに、どうして気づいてくれないんだろう。なんで売れないんだろう”と、もどかしく思っていました。そういった気持ちとサニーの思いは、少し重なる部分があるなと思いました」と共感しきり。
「僕の場合は、誰かと比べないことが大事なんだなと気づいてから、そのモヤモヤが少し晴れてきたような気がします。あとは、どんなに“しょうもない”と思えることでも、やり続けていたら、いつか形になるものなのかなと思っています」と継続の重みを噛み締める。
■「子供がすくすくと育っているのは妻のおかげ」
父親目線で観ると、改めて本シリーズの魅力を実感することもあったという。後藤は「“なにかを勉強しよう”と思わぬうちに、自然といろいろなことが学べるのが『トーマス』のいいところだと思います。子供と一緒に観るには、最高やなと思います」とコメント。「たとえば本作では、サニーが仲間の機関車を助ける場面があります。あそこは僕もすごく感動しました。また、悪いことをしてしまったら、きちんと謝る機関車もいる。普遍的なことや、大事にしたいことがたくさん描かれているなと思いました」としみじみと語る。
2人の男の子の父親である後藤にとって、子育てのモットーにしていることはどんなことだろうか。すると、「2人とも男の子なので、友達のような関係になれたらいいなと思っています。威厳のある父親というよりは、同じ目線で話せる関係でいたいなと。次男はまだ5歳ですが、僕のことを『淳平』って呼ぶんですよ(笑)。僕も『今日は仕事行くの、面倒くさいな』とか、あえてダメな部分も見せるようにしています。そうすることで、思春期や反抗期になっても、なんでも相談してくれる関係になれたらいいなと思っています」と理想は“友達のような関係”だという。
「僕も含めて、家に3人の男の子がいる感じかもしれないですね」とも明かし、「叱るときには、妻がきちんと子供を叱ってくれる。僕が友達のような立場でいられるのも、完全に妻のおかげですし、2人がすくすくと育っているのは、すべて妻のおかげ。家族にとって、絶対的な存在です。なかなか口に出して感謝を伝えられていないので、もっと『ありがとう』と言わないとダメですね」と照れくさそうに話す。