上野の森美術館、東京都美術館などの美術館が集中しているアートな街、上野。そんな上野で、アートと食事を一緒に楽しめる画廊型カフェダイニング「表現食堂カケルシー」が登場。オープニング・レセプションに参加してきた。
クリエイターを応援する"表現食堂"
やってきたのは、JR上野駅から徒歩2分の「FUNDES上野」6F。「表現食堂カケルシー」は、コロナ禍により、クリエイターが作品を発表する場も、それを鑑賞する機会も減ってしまった中、プロアマ問わず様々なジャンルのクリエイターを応援するために誕生したお店。
店名の“カケルシー”は、Creator Cuisine Communityなど、あらゆるCをかけ合わせることで、訪れるたびに新しい表現と出会い、楽しめる場所を創っていこうというコンセプトが由来となっている。店舗プロデュースを手掛けているのは、テクノロジーやクリエイティブで新しい飲食習慣を創るユニットUDEW(ウデュー)。UDEWという名前には、会話のきっかけになるおもてなしの言葉「Would you~?」の新しい形をつくる、という意志が込められている。
エレベーターで6階に上がると、早速洗練されたデザインの入り口がお出迎え。庶民的な店が多いエリアだけに、アート&クリエイティブなカフェダイニング、というとなんとなく敷居が高く感じてしまうが、むしろそうした思いを持った人にこそ気軽にアートと触れ合う機会として利用してほしいという思いがあるそうだ。想像以上にゆったりと広い店内には、アートを通して花見を楽しめる「アート花見」をテーマに、アートのサブスクリプションサービスを提供する「Casie」の提携アーティストの作品が展示されている。また、カケルシーとクリエイターとのコラボ第1弾として、イラストレーター「もしもししも」のイラストをデザインしたグラスが使われているのも楽しい。
アートのように美しい料理の数々
さて、そんなアートに囲まれた店内でどんな食事ができるのだろう。見ると、メニューがないぞ?と思いきや、目の前にある色んなカラーが描かれたものがそうだった。配色選びの際に使うカラーチップをモチーフにしており、それぞれの料理に使っている具材を色で表しているのだとか。写真がないので、どんな料理なのか想像しながらオーダーしてみた。
まずはゴッホの代表作を冠したカクテルドリンク「ゴッホの星月夜」(700円)。メニュー表にはウォッカ、ブルーキュラソー、レモン、ソーダがそれぞれのカラーで表されていた。とくに絵画に詳しくなくても、こうしてドリンクを飲むことでアートを知る、というは面白い。
見た目も華やかな「気まぐれカルパッチョ」(850円)は、サーモンの美味しさにビックリ。ビジュアルだけじゃなく、味も確かなことが、シンプルなこのひと皿でよくわかった。
続いてやってきたのは、黄身まで白い卵を使用した「白い卵のオムライス」(1,200円)。本当に見た目は真っ白だ。上に乗ったオムレツをナイフで切ってみると、とろ~りとライスを包み込んで見るからに美味しそう!とろとろな卵と一緒にライスを食べ進めると、なんと中から黄身が出てきた。これはうれしいサプライズだ。
食後のデザートには「季節のフルーツゼリー」(500円)を。これまた鮮やかなアート作品になっていて、最初から最後まで楽しんで食事することができた。
今年は上野で花見をすることも憚られるだけに、ちょっとした花見気分で、アートと食事を楽しんでみては?
●information
「表現食堂カケルシー」
東京都台東区上野7-2-4 FUNDES上野 6F
営業時間:12:00~22:00
ランチ12:00~15:00 / カフェ15:00~17:00 / ディナー17:00~22:00