――本作の中で、砂川さんが特に愛着のあるシーンを教えてください。

マスブレインシステムという特殊な空間で、滅、亡、雷が迅に語りかけるシーンがあります。葛藤の末に自分なりの結論を出し、迅のところへ戻ってきた滅の表情やセリフが、もっとも印象に残っていますね。あのシーンは、これからも忘れられないでしょう。

――テレビシリーズや映画『REAL×TIME』と同じく、刀を使った滅の立ち回りは見られますか。

派手な立ち回りというよりも、相手に剣の先端を向けて闘志を示すとか、滅の大切な得物として刀を扱っています。自分なりにスムーズな刀さばきができるよう、撮影の合間でもずっと刀に触れるようにしていました。迅の拘束を刀で斬ったあと、鞘に納めながら敵のほうに振り向くシーンがあったんですが、そこをうまくノールックで決めることができたとき、普段から地道に練習していてよかったって思いましたね(笑)。

――4人そろってBlu-rayの音声特典となるオーディオ・コメンタリーを収録されたそうですが、聞くところによりますとみなさんのトークで場が盛り上がり、爆笑の連続だったとか……。収録時のようすをぜひ教えてください。

実際に映像を見ながら4人で「こういうシーン、あったよね!」みたいに言い合うのがすごく楽しくて、話がものすごくふくらんだ感じです(笑)。ゲラゲラ笑い合っているので、シリアスな内容にそぐわないコメンタリーになっているかもしれません。

中川くんが大きな声でよく笑うんですけど、その笑い声がみんなの笑いを誘うんです。笑い上戸というやつで(笑)みんな中川くんにつられて笑ってしまうところがありました。一度目は通常音声でご覧いただいて、二度目はぜひコメンタリーを聞きつつ見てください。撮影時の裏話をたくさん話していますし、普段の4人がどんな風にしゃべっているのか、それぞれの関係性もよくわかるんじゃないかと思います。

――TTFC(東映特撮ファンクラブ)の番組『仮面ライダーゼロワン ショートアニメ EVERYONE'S DAILY LIFE』の第3話で、みなさんが「滅亡迅雷ゲーム」で盛り上がったのも、ファンの間で話題を集めましたね。

あの収録は楽しかったです。滅亡迅雷.netがヒマなときはこんなことしてるんだろうなって(笑)思いながら見てもらえたらいいですね。作品の裏側というか、映像になっていない部分はファンのみなさんの"想像"にゆだねられるところが大きいので、自由に楽しんでいただきたいです。『仮面ライダー滅亡迅雷』でも、滅が亡や雷にかけた言葉から、彼らの"日常"がうかがえるシーンがあります。戦いのないとき、4人はそれぞれどこでどんなことをしているんだろうって、想像するのはとても楽しいですよね。

――今回みなさんが『魔進戦隊キラメイジャー』のエンディングダンス(キラメイダンス)を4人そろって踊られたというのも素晴らしい出来事ですが、これって砂川さんが希望を出したことによって実現した企画だったとうかがって、びっくりしました。

キラメイダンスを踊ったきっかけは、僕が『ゼロワン』撮影当時から『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019年)のケボーンダンスが好きで、空き時間とかでイズ役の鶴嶋乃愛ちゃんとか、まわりのキャストたちといっしょに踊っていたからなんです。完璧に踊れるわけじゃないですけど、ずっとダンスいいな~、みんなと一緒に踊っている姿をファンの方々に見てもらいたいな~と、チャンスをうかがっていたんですよ。

そういう思いをプロデューサー補の近松知佳さんに伝えたら、なんとOKが出まして。しかも3人も「やろうやろう」って乗り気になってくれたんです。今日はなんか、みんな僕にやらされたって言ってるんですけど(笑)。山口さんは、本番ギリギリになるまでずっと(自分たちがキラメイダンスを踊るのを)"冗談"だと思っていたみたいです。前々から「本当にやりますよ」って言ってたのに(笑)。あいにくスケジュールがあまりなくて4人いっしょの練習日が作れず、それぞれ個別での練習になりました。僕も前日、徹夜で振り付けを覚えて練習したんです。果たしてどんなダンスになっているのか、ぜひ配信でお確かめください(笑)。

――最後に、今回のスピンオフ作品を含めて『仮面ライダーゼロワン』で砂川さんが過ごした1年半もの月日をふりかえり、ひとことご感想をお願いします。

『仮面ライダー滅亡迅雷』の撮影が終わってから、舞台をはじめいろいろなお仕事をやらせていただきました。それでも僕にとって『仮面ライダーゼロワン』は今でも"帰るべき場所"ですし、これからもずっとそうでありたいと思っています。『ゼロワン』という作品に役者として携わることができて、本当によかった。仲間とのつながりの深さも含めて、とても大事な存在になりました。

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