「高度に進歩したAI(人工知能 )」と人間との"理解"や"共存"をテーマにした仮面ライダーシリーズ『仮面ライダーゼロワン』(2019年)"その後"の物語を描いた東映Vシネクスト『ゼロワンOthers 仮面ライダー滅亡迅雷』(監督:筧昌也)が、3月26日より期間限定上映(Blu-ray&DVDは東映ビデオから7月14日に発売)される。

  • 砂川脩弥(すながわ・しゅうや)。1994年生まれ。沖縄県出身。2015年にGirlsAward×avex『BoysAward Audition』BoysAward賞を受賞。『仮面ライダーゼロワン』(2019年)にて「滅亡迅雷.net」の司令塔・滅/仮面ライダー滅役を演じて注目を集める。2021年2月にファースト写真集「BASE」を発売したほか、テレビドラマ、映画、舞台など幅広い分野で活躍中。撮影:大門徹

本作は、ヒューマギアを暴走させて人類滅亡を企てるテロリストとして登場し、やがて人類に潜む"悪意"の暴走を見張る役割へと立ち位置を変化させたキャラクター「滅亡迅雷.net」の4人がメインとなってストーリーが作られた。2020年12月に公開された映画『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』から引き続き、『仮面ライダーゼロワン』のテーマである「AIと人間の関わりあい」を打ち出した、シリアスなドラマが生み出されているという。

スピンオフ作品の上映&ソフト発売を記念し、マイナビニュースでは滅亡迅雷.netの愛すべき4人それぞれに単独インタビューを敢行。今回登場するのは、滅亡迅雷.netの司令塔として迅をはじめとする仲間たちを束ね、テレビシリーズ全話を通じて或人の好敵手を務めあげた滅(ホロビ)役・砂川脩弥である。相手を目で射抜くかのような鋭い眼光でクールな印象がある滅だが、演じる砂川は屈託のない笑顔がまぶしい爽やかな青年だった。滅亡迅雷.netがメインとなったスピンオフ作品にかける意気込みや、4人のチームワークの良さについて、そして『仮面ライダーゼロワン』という作品への思いを、熱く語ってくれた。

――滅亡迅雷.netをメインとしたスピンオフ作品『仮面ライダー滅亡迅雷』の完成おめでとうございます。作品を実際にご覧になられたときの率直なご感想からお願いします。

あちこちで"うれしい!"と言いまくっています。完成した作品は『ゼロワン』のファン、そして滅亡迅雷.netを愛してくださる方たちに喜んでいただける内容ですから、絶対にご覧になって損はありません。今回の作品では滅、迅、亡、雷の4人の背景がしっかり描かれていますし、僕自身も滅の決断や行動について、いろいろと考えながら演じました。基本は娯楽作品なのですが、ストーリーを楽しんでいただきながら"人生"や"正義"について考えさせられるような、何かを感じさせる作品になっています。

――昨年に公開された映画『REAL×TIME』での滅は、迅やバルカン、バルキリー、サウザーと力を合わせ、人類の脅威に立ち向かうという"ヒーロー"的な立ち位置でしたが、今回のスピンオフではそのポジションから変化していたりするのでしょうか。

『REAL×TIME』でのヒーロームーブがあったからこそ、滅は今回どのような行動を取ればよいかわからず"葛藤"をしています。これまでの戦いの中で、個人のために動くのはよくないとか、争いは出来るだけ起こさないほうがいいとか、滅なりにラーニングをしているために、今回のような状況に置かれて彼は悩んでいる。僕はそういう風に滅の気持ちを考えました。滅亡迅雷.netを軸にしたストーリーではありますが、本来の『仮面ライダーゼロワン』のテーマともしっかりつながっているんです。

――滅亡迅雷.netの4人はとてもよいチームワークだとうかがっています。撮影当時はどのような雰囲気だったのですか。

朝、撮影所に入ったらたいてい3人(中川大輔、山口大地、中山咲月)がいましたし、撮影が終わって帰るときも4人そろって話しながらだったり、撮影中はずっと一緒に過ごしていたような感覚です。テレビシリーズのころからこの4人はすごくチームワークが良くて、それだけにスピンオフ作品の撮影が始まったときはとてもうれしかったです。

今日も一日じゅう、いろいろな取材を受けて楽しかったのですが、もうみんなと撮影現場で会えないのかなと思うと、どうしても寂しい気持ちになりますね。僕がいちばん好きだったのは、滅亡迅雷.netのみんなで駅まで歩いて帰る道中、ワイワイと『ゼロワン』の話をしている時間だったんです。

――お話をうかがっていますと、まるで部活帰りの運動部のような心地いい仲間との信頼感が伝わってきますね。

まったくそのとおり、"青春"って感じでした(笑)。僕自身、高校時代にバレーボールをやっていたのですが、今でも部活の夢を見ることがあります。もう何年も前になりますけど、ちょっとあのころに戻ってみたいという気持ちが残っているのかもしれないです。僕にとって撮影所は"学校"に近いイメージで、スタッフさんは"先生"みたいな感じ。だから、『仮面ライダー滅亡迅雷』が終わったら、これでもう"卒業"か……という寂しさが感じられるんです。『REAL×TIME』の初号試写で杉原輝昭監督と久々にお会いしたとき、卒業生が恩師と再会したみたいな気持ちになってしまって(笑)。あのときのうれしさは、ちょっと忘れられないですね。

――滅亡迅雷.netの4人で行動していて、このチームがいいなと思えるところとは?

ひとりひとり違う魅力を備えていることですね。みんなの個性が違っているから、一緒にいて居心地がいいんだと思います。性格が被る人がいなくて、反発もせず、お互いを高め合っている印象があります。台本を読んでどう思いましたか?みたいな質問に答えるときでも、それぞれの捉え方や見解が違っていて、「この人はこんな風に考えてたのか」と気づかされることもありました。そんなとき、滅亡迅雷.netの4人は本当にいいチームだなってしみじみ思うんです。

――よき仲間であり友人、あるいは親子・兄弟のようなファミリー感があるようですね。

僕は中山さんより年齢が上のはずなんですけど、なんか中山さんのほうがお姉さんという感じ(笑)。僕よりずっと落ち着いていて、しっかりしていますからね。中川くんとは1年間ずっと"親子"でやってきて、お互い意志が通じ合ってますし、山口さんはみんなの兄貴分で、何かと頼りにしています。4人いっしょに取材を受けたときなんていつも、山口さんがうまくまとめてくださるんです。本当は僕が滅亡迅雷.netの司令塔として、みんなをまとめないといけないんですけどね(笑)。

――滅亡迅雷.netと対立する「仮面ライダーザイア」の変身者、リオン・アークランドを演じるジェイ・ウェストさんの演技が強烈すぎて、みなさんものすごいインパクトがあったとおっしゃっていますね。

そうなんです。ジェイさんは本当に楽しい方で、ふだん演技についての話はほとんどなく、他愛もない世間話、無駄話ばかりしていましたけど、その時間がまた心地いいんです。でも、しめるところはきっちりしめる方で、本番になると僕には絶対にできないような、個性的な芝居をされてて、カッコいいなってずっと思っていました。滅亡迅雷.netを敵に回して一歩も退かない独特の"ジェイさんワールド"が繰り広げられていますから、ぜひそこに注目していただきたいですね。