小学生のお小遣い、値段はどのように決めていますか? 今回は、うにわさびさん(@unifamily_uni)がインスタグラムに投稿した、とある家庭の「給与制度」についてご紹介します。

友人家族のお小遣い事情がとても素敵だったので漫画にしました。(@unifamily_uniより引用)

  • @unifamily_uniより

この投稿を見た人からは、「素晴らしいですね、気がつく人間になりそう! 」「自分のことは当たり前だから半額、というのも凄く良い! 」「この制度いいですね!」「是非やりたいです」との声が。子どもの自律性をはぐくみお金の大切さを教えられる、素敵な制度ですよね。珍しい制度ですが、どのようなきっかけで始めることになったのでしょうか。

麦山さんと、投稿者のうにわさびさんにインタビューしてみました。

導入のきっかけや評価方法などを聞いた

―― 麦山さんがこの制度を導入したきっかけについて教えてください。

麦山さん:とある芸能人の方が、子どもたちにお小遣いをあげる仕組みをテレビで観て、感銘を受けたのがきっかけです。お小遣いはあげるものの、お菓子は家であらかじめ購入した「お菓子ボックス」から選んで買うという仕組みで、家にお金が戻る仕組みがおもしろいなと。うちでも何かできないかと考えたのが、「家庭内の仕事でお金を稼ぐ」という方法でした。

――お子さんはまだ小学生ということで、お手伝いに失敗したり不十分だったりする場合もあるかと思います。その場合は給与をどう計算するのでしょうか?

麦山さん:作業精度が問われるものは、出来によって単価を半額にします。食器洗いとかはよく半額にされてます。ただし100%の出来を求めているわけではないので、食器10皿に対して1皿汚れがありました、半額です! ではなく、総合的に見ています。ここはまだ改良の余地ありですね。そもそも精度よりも、洗濯機を回す、洗濯物を取り込む、ゴミを出すなど、「やったかやってないか」の項目をチェックすることが多いですね。

――ひと月の集計は、どのように行っているのですか?

麦山さん:集計や申告に関しては、完全申告承認制度を採用してます。「これとこれをやったから20円足していい? 」という申告に対して、確認できたら承認。承認したら、貼り出している用紙に反映させています。その際に、加算額と累計も自分で記入させてます。「580円に20円プラスだから、よっしゃ! 600円になった! 」みたいな子どもの姿が見られます。

月末に妻が集計して、翌日に給与を支給します。明確な申告期日はあえて設けていませんがだいたい次の日くらいまでで、それを過ぎた場合はお手伝いしていても「無効」です。やり初めの頃は、長男はただ働きが多かったですね。これも、定着すると不思議と申告漏れがなくなります。

また、兄妹同士で管理しあう「第三の目」システムがあります。そのおかげで、ガチガチに管理する必要がありません。適当な作業をした場合、容赦なく他の兄妹から指摘が入ります。例えばこの間、長女が洗い物をしたのですが「僕の茶碗が汚かった。見て! 」と長男から申告が入りました。

――うにわさびさんの投稿にも多くの反響がありましたね。

麦山さん:お褒めの言葉も多数頂いていますが、まだまだ改良の余地がある不完全なシステムです。しかし、制度の目的は「自身の成果を対価に変えることの喜び」と「作業を完遂させる難しさと厳しさ」を学ばせることなので、まあ事足りているのではと思います。

――素晴らしいですね。投稿者のうにわさびさんは、この制度を聞いてどのように感じましたか?

うにわさびさん:私の意見としては、すごく良い制度だと思いました。「本来やるのが当たり前のことに給与なんて」という意見もあるかもしれませんが、「自分の身の回りのことは給与が発生しない」などのルールがきちんと設けられているし、給与の単価が低いことも良いと思いました。自然と家の仕事に気が付く人間性が育ち、成長とともに稼ぐ方法を見出していけそうです。そしてその頃には、家事は「当たり前のこと」としてこなす人になるんじゃないかなと思います。少なくとも私が見る限り、麦山家は仲良しでお互いを思いやる、ハートフルな家族です! 小さいうちからこういう経験ができて、お金の使い方を考えるきっかけになるのは、とても良いと思いました。


お金の大切さを知るだけでなく、稼ぐことや家事の大変さにも気付ける、素敵な制度ですね。成人後や結婚後にも役立ちそうなこの「給与」制度。小学生のお子さんがいる方は、取り入れてみるのもいいかもしれません。