■株高の相場でも始めた方がいい?

株式投資を始めるタイミングとしては、株高の相場では入りづらい気もする。しかし、そうしてタイミングを見計らっているだけで、なかなか始められない人は少なくない。

「タイミングを考えだすと、株安局面でも『もっと下がるかも』と考えてしまい結局買えず、利益を取り逃すこともあります。また底値を当てるのはほぼ無理です(笑)。もちろん何でもいくらでも買えばよいという訳ではなく精査は必要ですが、必要以上に恐れることなくまずは始めてみてほしいと思います。年利7%のリターンを早めに享受するためには、残りの人生が長いうちに始めたほうが有利だと思うので」

かぶ1000さんは"重要なのは全体の傾向ではなく、あくまで個別で銘柄を見ること"だと続けた。

「日経平均採用銘柄は上場企業の約3700社のうち255銘柄だけで、全体が株高であっても割安な銘柄はたくさんある。僕が実践しているバリュー株投資は、競争が熾烈な市場の投資から一歩引き、掘り出し物を探す投資です。こんな風に、流行そのものの予想は難しくても、全体的なトレンドの中でライバルの少ない割安の銘柄を探し、後々おこぼれをもらう方法もあるんです」

■恋愛と一緒!? 最初の銘柄の選び方

また銘柄選びについて、最初は"BtoC企業の銘柄を少額で買う"ことをお勧めしている。

「自分がよく行くお店だからとかそんなささいな理由でいいです。BtoBは会社として一番もうかるビジネスで、徐々に裾野を広げていけると理想ですが、一般消費者からは見えにくい部分だけに少し経験が必要。無理にやる必要はないし、広く薄くより深掘りしていくといいと思います」

いわく銘柄選びも恋愛と同様に相性があるそうで、他人の話をうのみにした株取引は最も避けるべき悪手だとか。

「他の人にとっては素敵な恋人でも、自分には合わないというケースはたくさんありますよね。銘柄も一緒で、相性や大事にしたいポイントは人によって異なります」

「僕の銘柄選びは、恋人選びに例えると"年収より優良な資産を持っているかや、ストックからのフローがあるかを重視"しています。『例えば年収1,000万円って確かにすごいけど、勤め先をクビになったらゼロじゃん』みたいな考えで。同じ利益の会社が複数あれば、どの部分からその利益が出ているかをきちんと見ています」

「ただ、銘柄にしても恋人にしても、最初から全てを見極めるのは難しい。まずはご飯をごちそうするくらいから始めて(小額から投資を始めて)、本気で結婚を考えるようになったら『もう少しお金を預けてみるか』という感覚で投資をしてみたらいかがでしょうか」

逆に言うと、少し無鉄砲な銘柄選択だったとしても、自分で考えて選んだこと自体に価値があるという。

「『あの時に声をかければ』と後悔しないように、株もご縁だと思って100円でもいいからやる。ミュージシャン志望で収入の少ない彼氏でも応援するみたいな話で。後々、花が開けばもうけもんです。もちろん、それも現実をしっかり見ながらですけど。それで失敗続きなら本などで勉強すると良いですね。でも、最後はやっぱり自分で考えて判断する習慣が一番大切です」