さらに、バラエティ番組での経験は、女優業にも生きているようで一石二鳥だ。「お笑いは会話のテンポ感や間の取り方がすごく大事なのですが、演技においても、シリアスなシーンや面白いシーンの間はとても大切なので、そこはすごく参考にさせていただいています」

モデル、女優、タレントと、様々な分野で八面六臂の活躍を見せる中条だが、「全部をやれているからこそ楽しい」と充実感あふれる表情で話す。「モデルのお仕事できれいな服を着せてもらう時はフラットな自分に戻り、女優業ではアウトプットして、バラエティのお仕事ではまた違ういろいろなものを吸収してと、今はその出し入れが上手く回っている気がします。特に『君と世界が終わる日に』ではサバイバル中なので、『ぐるナイ』の現場へ行くと癒やされるから、3つをやっていることで、とてもいいバランスが取れている感じがします」

昨年公開された映画『水上のフライト』ではパラカヌーの選手役にトライした。中条が競技用カヌーを短期間でマスターしたことも話題となったが、同作の舞台挨拶では、ストイックに練習を積んだエピソードも明かされた。「何でもそうですが、私はちゃんと練習しないとできないんです。本当に不器用なので」

ある種、愚直さも彼女の武器かもしれない。そんな中条に今後の展望を聞いた。「いろんなことに挑戦し、幅をどんどん広げていけたらいいなと思いますし、中条あやみという人物を見て、楽しいなあとか、ちょっと悩んでいたけど、どうでもよくなったなとか、そう思ってもらえるくらいパワーのある人になれたらいいなと。これからも頑張っていきたいです」と、中条は最高の笑顔で締めくくった。

■中条あやみ(なかじょう・あやみ)
1997年2月4日生まれ、大阪府出身。2017年からは女性ファッション誌『CanCam』の専属モデルを務める。女優としては、2014年に『劇場版 零~ゼロ~』で映画初出演にして初主演。近作の主演映画は『雪の華』(19)や『水上のフライト』(20)など。現在放送中の日本テレビ系ドラマ『君と世界が終わる日に』に出演中。日本テレビ系バラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』に「グルメチキンレース・ゴチになります!」のメンバーとしても活躍している。