JR西日本は東海道・山陽新幹線の車両N700Sを新製投入し、このほど営業運転を開始した。昨年10月、JR東海が営業投入しているN700SをJR西日本も新製すると発表しており、2020年度は2編成を投入する計画となっていた。

  • JR西日本が新製投入したN700S(H1編成)。下り「こだま731号」として東海道新幹線を走行

  • JR東海のN700S(J8編成)

N700Sは「デュアルスプリームウイング形」と呼ばれる先頭形状をはじめ、床下機器の小型・軽量化によって編成両数を柔軟に構成可能な「標準車両」を実現し、高速鉄道では世界初というバッテリ自走システムを搭載したことなどが特徴に挙げられる。昨年7月、JR東海が13年ぶりのフルモデルチェンジ車両として営業投入し、これまで東海道新幹線を中心に運行されてきた。JR東海は3月13日のダイヤ改正を機に、同社サイト内にてN700Sで運行される一部列車の時刻を公開している。

JR東海に続き、JR西日本もN700Sを新製投入することで、さらなる安全安定輸送の実現と異常時対応力の強化、快適性の向上を図るとともに、車両トラブル等が発生した場合でも、より柔軟な車両運用が実現するという。JR西日本のN700Sも、グリーン車・普通車の全席にモバイル用コンセントを設置。グリーン車のほか、先頭車やパンタグラフ搭載号車にフルアクティブ制振制御装置を搭載し、快適性・利便性を向上させた。

JR西日本のN700SとJR東海のN700Sはほぼ同一の外観だが、既存のN700系やN700Aと同様、車体側面にデザインされた「JR」のロゴマークの色(JR東海の車両はオレンジ、JR西日本の車両はブルー)で見分けることができる。運転席の窓などに記された編成番号も異なり、今回、東海道新幹線へ乗り入れた編成は「H1」。JR西日本のN700Sで運行される列車は公開されていないが、この日は上り「ひかり504号」(岡山発東京行)、下り「こだま731号」(東京発新大阪行)で運用されていた。