女優の葵わかなと三吉彩花が9日、東京・TBS赤坂ACTシアターで行われたミュージカル『The PROM』の取材会&公開稽古に、共演の大黒摩季、草刈民代、保坂知寿、霧矢大夢、佐賀龍彦(LE VELVETS)、TAKE(Skoop On Somebody)、岸谷五朗、寺脇康文とともに出席した。
『The PROM』は2018年にブロードウェイで開幕。19年にはトニー賞 7部門にノミネートされ大きな話題となり、20年12月には、メリル・ストリープ、ニコール・キッドマンという豪華な顔ぶれで映像化も実現した。物語の舞台は、アメリカの高校で、卒業生のために開かれるダンスパーティ"プロム"。レズビアンの主人公エマ(葵)が、様々な人たちとの触れ合いにより、"自分らしく生きる"ことを貫こうと奮闘する姿が描かれ、エマの元に現れる落ちぶれかけたブロードウェイスター4人の傍若無人な行動に、劇場は笑いの渦に巻き込まれ、ブロードウェイらしい華やかな音楽とダンスシーンに、誰もが手拍子をしたくなるようなハッピーミュージカルとなっている。
翌日に初日を迎える心境を聞かれると、葵は「2カ月みんなで一生懸命、稽古をしてきて、今は早くお客さんに"こんな作品なんだよ"というのをお届けしたい気持ちでいっぱいで、緊張もあるんですけど、どちらかというとワクワクしたり楽しみが強いです」と声を弾ませ、「今回、この作品は映像化されないので、一期一会的な作品になるんだと控え室でも話していて、今このタイミングでしか見ることができないキャストやストーリーだったりするので、ここに来てくださるお客様とも一期一会だと思って、毎日頑張っていけたらなと思っています」と力を込めた。
また、エマの同性の恋人アリッサを演じ、今回が初舞台となる三吉は「稽古をしてから長い道のりだなと思っていたんですけど、気付いたら初日が明日で、あっという間に今日という日が来てしまって不思議な感じです。こんなに月日が経つのが早いと感じるのは初めてです」と目を丸くしつつ、「この会場の大きさに負けないように、来ていただいたお客様にはたくさんの大きなパワーをお届けできるように頑張りたいと思います」と意気込んだ。
さらに、レズビアンの高校生カップルを演じる上での役作りや、お互いに意識している点を尋ねられると、葵は「(三吉との関係性は)非常に良好です。稽古場で2ヶ月一緒に過ごす中で、彩花ちゃんとわかながいい関係性になっていって、人間としても一緒にこれから長い公演をともに戦っていけるいいパートナーになれていると思います。その私たちの本当の関係性が、エマとアリッサになったときにもすごく生かされていると思うので、今は何の心配もなく2人で虹をかけて行こうというやる気に満ち溢れています」と目を輝かせ、三吉は「(初共演の葵とは)初めてという感じがしなくて、気が付けばずっと一緒で、何をするにも付いて回って、くっつき虫のように過ごしていたら、2人がどんなときでも一緒にいることが当たり前になってきて、それがエマとアリッサにとっても、愛し合っている関係性が当たり前のことなんだとリアルに表現できる関係性になってきていると思うので、とても安心しています。ねっ!!」と葵と微笑み合った。
そんな2人の魅力を聞かれた岸谷は「わかなちゃんは難しい役どころを見事に演じてくれています。その中で必死に歌う曲が何曲かあって、難しい曲ではありますが、とっても感動して心に響く歌で、それを今、我々に届けてくれています。必ずお客様に感動していただける曲になっていて、わかなちゃんの歌になっているなと思います」と絶賛すると、葵は「本当に!? ありがとうございます」と恐縮。これに三吉と大黒は「私、昨日泣いたんだよ。号泣した」「私も泣いた」と口を揃えた。
一方、三吉について岸谷は「苦悩して成長して、そして愛を育みながら、お母さんと戦いながら、PTAと戦いながら、成長物語がたくさんある役で、それを三吉彩花が繊細に、ひとつひとつを大切にクリアにして演じ切ってくれています」と褒め、「最後のエマとの2人のシーンは、我々、客席いてもちょっとヤバいです。みんなが一瞬で感動できる2人のシーンになっていて、それだけ大事にこの役を演じてくれています。初舞台とは思えない感じになっておりますので、そちらも楽しんでください」とアピールした。
同ミュージカルは3月10日(水)より4月13日(火)まで東京・TBS赤坂ACTシアターにて、5月9日(日)より16日(日)まで大阪・フェスティバルホールにて上演される。