お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が7日、東京・本郷の東京大学 安田講堂で行われた「オンライン特別講義シリーズ『東大吉本対話』vol.1~ 言葉力が世界を変える?~」に出席。イベント後に行われた報道陣向けの取材に応じた。

  • 「オンライン特別講義シリーズ『東大吉本対話』vol.1~ 言葉力が世界を変える?~」に出席した又吉直樹(左)と東京大学副学長の佐藤健二

東京大学と吉本興業は、東京大学の「知」と吉本興業の「エンターテインメント」を掛け合わせた「笑う東大、学ぶ吉本プロジェクト」をスタート。同プロジェクトでは、2025年大阪・関西万博、その先のSDGs目標達成年次の2030年を見据えながら、学術とエンタテインメントの積極的な対話、協働を推進し、持続可能な新しい価値の創出と未来への提言を目指していく。

その第1弾として行われたこの日のイベントでは、東京大学 大学執行役・副学長を務める佐藤健二大学院人文社会系研究科教授と吉本興業所属の又吉直樹が登場し、"言葉の生み出し方、捉え方""現代のコミュニケーション""私たちが持つべき言葉力"をテーマにした言葉にまつわる対談を実施。「これまでの人生で掛けられた言葉で忘れられない言葉は?」という視聴者からの質問コーナーでは「結成した時に相方から『伝説の始まりや』と言われて、ヤバい、時間かかりそうやな、とんでもない人と組んでしまったと思いましたね」と初めてコンビを組んだ時の綾部祐二が発した言葉を紹介した又吉は「伝説は始まらなかったんですけどね」と笑いを誘った。

また、初めて訪れたという安田講堂の印象について「舞台に立ってみるとデザイン性が高いもので緊張感がありました。この会場の雰囲気と相まって貴重な体験ができたと思います」と好印象だった又吉。イベントの感想を問われて「すごく勉強になったし、言葉が持っている力そのものが広がったような立体的に捉えられたような気がします。ジャンルの越境は新しいものを生むことがよくあるので、異ジャンルに交わると新しい発見がありますね」と佐藤教授との対談で刺激を受けた様子だった。

イベントではSNSなどで問題となっている誹謗中傷にも言及し、「自分の日記で書いている言葉は見せなければいいんですが、匿名である安心感から他者に向けてしまいます。そういう危険性があるということをみんなで共有しないと無くせないとは思いますね。思っていることを伝えても良いと主張される方もいますが、それによって失われるチャンスがあるということも広まっていけばと思います」と提言した。