自分やチームメンバーにとって大きなビジネスチャンスが訪れた時など、めったに出会うことがない絶好の好機を迎えたようなシチュエーションに出会った時に、「千載一遇」という言葉を使います。

千載一遇は、日常的によく使用する言葉ではありませんが、特にビジネスシーンにおいては、職場の士気を高めたり、目標に向かってチーム一丸となる気持ちを表したりするような時に利用される言葉です。

千載一遇の正しい意味や使い方を知り、ビジネスシーンで活用しましょう。

  • 「千載一遇」の意味・読み方

    千載一遇の意味や使い方など紹介していきます

「千載一遇」の意味・読み方

千載一遇は、「千年の間に一度しか遭遇できないようなめったにない好機である」という意味です。「千載」は千年のことで、長い年月を表します。「載」という漢字は「さい」とも読みますので、「せんざい」を「せんさい」と読み間違えないように注意することが必要です。

例えば、なかなか取れない野球観戦のチケットが手に入ったり、憧れていた人と社内異動で同じ部署に配属されたりする際に、「千載一遇のチャンス」や「千載一遇の好機を得た」などのように使われます。

なお、読み方は「せんざいいちぐう」です。

「千載一遇」の由来

千載一遇という言葉は、中国の書物である三国名臣序賛に由来しています。三国名臣序賛は、三国志に登場する優秀な20人の部下・臣下に関して記載されている書物です。

三国名臣序賛には「千載の一遇は賢智(けんち)の嘉会(かかい)なり」と記されており、現代語訳すると「千年に一度でも、賢人と知者に出会えれば、珍しく幸せである」となります。

  • 「千載一遇」の使い方・例文

    千載一遇はめったにない好機を意味する言葉です

「千載一遇」の使い方・例文

千載一遇はビジネスシーンで使われることが多い言葉ですが、使う際は注意しておきたい点もあります。ここでは具体的な使い方や例文を紹介します。

千載一遇の出会い は誤用?

「千載一遇の出会い」という表現で使用されることがありますが、この使い方は、誤った使い方だと思われてしまう場合があるので注意が必要です。「一遇」という言葉には、既に「出会う」という意味があり、「千載一遇の出会い」という使い方をすると言葉の意味が重複してしまいます。

ただし、「千載一遇の出会い」という使い方をしているケースは散見されるので、間違った使い方であると確実に判断できません。使用する際は、相手によっては違和感を覚える可能性もあることに留意しておきましょう。

悪い意味では使えない点に注意

「千載一遇」という言葉は良い意味で使われる言葉です。めったいにないことであっても、例えば「治安の良いこの街で事件に巻き込まれるなんて千載一遇だ」といったように、悪い意味では使いません。

千年の間に一度しか遭遇できないようなめったにない“好機”である、という意味合いをしっかり覚えておきましょう。

【例文】

  • 千載一遇のチャンス

「千載一遇のチャンス」という言葉はよく見聞きしたことがあるでしょう。絶好の機会を逃してしまったような場合には、「千載一遇のチャンスを逃してしまった」のように使います。

  • 千載一遇の機会

「千載一遇のチャンス」とほぼ同じような意味ですが、「千載一遇の機会」という使われ方も一般的です。

そもそも千載一遇と言う言葉自体に、めったにない機会、という意味がありますが、「千載一遇の機会」とすることで、この機会がとても貴重で大切なものである、というニュアンスが強調されます。

例文としては、「部下のことを第一に考えてくれるような上司に巡り合えたことは千載一遇の機会です」などです。

  • 「千載一遇」の類語

    千載一遇はビジネスシーンでよく使います

「千載一遇」の類語

「千載一遇」と同じような意味をもつ言葉にはどのようなものがあるのでしょうか。類語でもそれぞれの言葉の意味やニュアンスが異なるため、表現の幅を広げるためにも、具体的な意味と使用例を学びましょう。

千載一会

千載一会(せんざいいちえ)とは、千載一遇と同様に「めったに遭遇することのない機会やチャンス」という意味があります。

他には、千載一時(せんざいいちじ)、千載一合(せんざいいちごう)などがありますが、どちらも一般的に使われている言葉ではないので、言い換えの際には注意が必要です。

一期一会

一期一会(いちごいちえ)は、人生で一度会うかどうかの人間関係や縁を表す四字熟語です。めったにない、という点では非常に類似しているのですが、千載一遇は「機会」に重きを置いており、一期一会は「出会い」に重きを置いている点で異なります。

例えば、「千載一遇のチャンス」という使い方をしますが、「一期一会のチャンス」のように使われることはありません。

関連記事: 英語で「一期一会」って何と言う? 【知って得する四字熟語】

空前絶後

空前絶後(くうぜんぜつご)は、これまでも、そしてこれからも例がないくらい珍しい、という場合に使われる言葉です。

空前絶後には「これからも起こらない」という意味があるのに対して、千載一遇には「今後起こらない」というニュアンスは含まれていません。

一世一代

一世一代(いっせいちだい)には、一生のうちにただ一度しかないこと、一生に二度とは起きないような大切なこと、という意味があります。

いくら人間の寿命が延びた現代であっても、一生が千年ということはないので、千載一遇の方が「めったない」という貴重度合いが高い、というニュアンスを含んでいるといえるでしょう。

  • 「千載一遇」の英語表現

    千載一遇の類語も覚えてみてください

「千載一遇」の英語表現

もともと中国の古い書物が出典の千載一遇には、同様の意味を表す英語表現があります。現代では、海外の方と交流する機会も少なくないので、例文もあわせて覚えておきましょう。

A golden opportunity

千載一遇には、「A golden opportunity」という英語表現が該当します。ここで使われているgoldenは、「貴重な、めったにない」という意味です。

<例文>

  • Don't miss the golden opportunity.
    千載一遇の機会を逃すな。

one chance in a million

one chance in a millionは、直訳すると「百万回に1回の機会」という意味です。

日本語では千回に一度、英語では百万回に1度、と頻度の表現が異なりますが、ともに多くの中の1回、めったにないこと、を意味しています。

<例文>

  • I have one chance in a million to meet a chairman.
    会長に会う千載一遇の機会を得ました。
  • 千載一遇という言葉をビジネスシーンで使ってみよう

    千載一遇の英語表現も覚えてみましょう

千載一遇という言葉をビジネスシーンで使ってみよう

千載一遇の意味や正しい使い方・例文、類語や英語表現について紹介しました。

千年の間に一度しか遭遇できないようなめったにない好機であるという意味の千載一遇は、ビジネスシーンでよく使う言葉です。正しい意味や用法を理解したうえで活用し、ビジネスシーンでのコミュニケーションをより豊かなものにしましょう。

使う際は今回注意点とした挙げた点に気を付けてくださいね。