『魔進戦隊キラメイジャー』(2020年)『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019年)、そして最新のスーパー戦隊『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021年)の"単独"映画3本立てとなる『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』が、2021年2月20日より公開中である。

工藤美桜(くどう・みお)。1999年生まれ。東京都出身。『仮面ライダーゴースト』(2015年)で仮面ライダースペクター/深海マコトの最愛の妹・カノン役でレギュラー出演して注目を集める。CMや朝の情報番組レポーター、そして『神ちゅーんず~鳴らせ!DTM女子~』(2019年)をはじめとするテレビドラマや『恋と嘘』(2017年)『春待つ僕ら』(2018年)などの映画作品で活躍。撮影:大塚素久(SYASYA)

『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』のラインナップは、『騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ』『機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!』、そして『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』の3作品。『キラメイジャー』ではテレビシリーズのエピソード21、22に登場した悪役ヌマージョの妹で"悪夢のマエストロ"と自称する魔女・ミンジョ(演:壇蜜)が登場し、キラメイジャーたちを「夢の世界」に閉じ込め、大苦戦させるストーリーとなった。

マイナビニュースでは映画公開を記念し、『キラメイジャー』キャスト陣のインタビューを実施した。今回は、大治小夜/キラメイピンクを演じた工藤美桜が登場。ふんわりとした"癒し"のオーラをまといつつ、生命を救うためにはどんな困難にも立ち向かう"芯の強さ"をも備える小夜というキャラクターを演じた経験は、工藤にどのような影響を与えたのだろうか。『キラメイジャー』の撮影に明け暮れた1年間で仲間同士に生まれた"絆"、そして新作映画の必見ポイントについて、最高のスマイルを交えながら語ってくれた。

――『キラメイジャー』テレビシリーズもまもなく最終回を迎えようとしていますね。

私にとっても、小夜にとっても成長できた1年だったのは間違いありません。小夜は、見た目ではおしとやかでホンワカした雰囲気を持った女性のイメージがありますが、内に秘めているものは熱いし、芯も強いんです。"凛とした佇まいと可憐さ"を意識して1年間小夜を演じてきました。私自身も"芯の強さ"が身についたように思います。

――特に思い入れのあるエピソードを教えてください。

どのエピソードも大切なものなのですが、強く印象に残っているお話といえば、エピソード32「小夜に首ったけ」ですね。

――アメリカ医大時代の同級生・日下優人(演:小南光司)との、大人っぽいムード満載のデートシーンが話題になりましたね。

ちょっとヒーロー作品だとは思えないような画面にしようと、田口清隆監督とも綿密に相談をしながら撮ったシーンでした。田口監督は「"スーパー戦隊"らしさを全部抜いて、"月9"みたいなキラキラした恋愛ドラマ、映画みたいなデートシーンを撮りたい」とおっしゃっていて、とてもいい雰囲気の画が作られました。キラメイジャーのみんなとナゾカケ邪面の"戦闘"シーンは『キラメイジャー』らしい明るい感覚でしたし、そのテンションの違い、メリハリが出ていればいいなと思いながら、意識的に大人っぽく演じてみました。

――エピソード24「バンドしちゃうぞ!」では、小夜の"意外に気の強い一面"が強調されたお話でした。

自分の好きなことや、熱中していることに関しては、すごく真剣に、熱くのめりこんでしまう人なんだろうなと思ったので、「音楽の醍醐味は楽しむことよ」なんて言いながらも、仲間とのバンド練習ではいつもよりずっと強い口調のときが多かったですよね。それくらい熱意があるんだぞってところを見せたかったんです。小夜が感情をむき出しにすることってそんなにないんですけれど、この回では怒りの感情を大きく表現してみました。

――いつもニコニコ、ホンワカしている小夜だからこそ、ときどき出てくる"ギャップ"ある場面にインパクトがあるんだと思います。

そうですね。いつものニコニコしている演技も楽しいけれど、それ以外にも小夜の違った一面を表現したいと、だんだん"欲"が出てくるんです。エピソードをいくつか撮っているうちに、この場面ではこういう小夜の性格が出せるんじゃないかと思ったら、すぐ試してみちゃいます(笑)。

台本でもいろんな小夜が描かれているので、表現できる幅が広がるというのはうれしいことなんです。時雨くん(演:水石亜飛夢)や宝路さん(演:庄司浩平)が、監督の求めている演技の"もっと上"を返していく姿を間近で見ていますから、自分もあんな風になりたいと思うようになりました。彼らのようにできたかどうかはわからないですが、いつも"挑戦"のつもりでやってきました。

――小夜と瀬奈(演:新條由芽)の信頼関係の強さを描いたエピソード37「せな1/5」はダブルヒロイン編として人気が高いですね。

好きなお話です。前から「ダブルヒロイン回があるよ」と言われていて、どんなことをやりたい?ってプロデューサーさんに聞かれていました。希望を聞いてくれるんだ~と思いましたね(笑)。よくスーパー戦隊シリーズでは、ヒロインがアイドルになっちゃう回とかがあって、憧れてたんです。

由芽ちゃんは茶道、私は日舞をやっているので、「和」の感じのお話がいいな~、2人で和服が着てみたい、なんてリクエストしたんですけど、最終的にはなんだか男勝りの青春ストーリーというか、逃げ出した瀬奈ちゃん(瀬奈5)を小夜が追いかけて、湘南の海岸で取っ組み合いながら説得するという、熱い展開になっていましたね。いざやってみると、こういうのも面白いなって思いながら演技していました。小夜の活発な面、熱い一面がすごく表れたエピソードでした。

――キラメイジャーの6人でいるときの、チームの雰囲気はいかがでしたか?

最初は5人でスタートし、いいチームを組んでいましたけど、そこにコウちゃん(庄司)が新しい風を吹き込んでくれて、いっそういい雰囲気になったなという印象です。コウちゃんがいるとみんなが安心できますし、絶対的な信頼がおける存在だと思っています。5人でも楽しいけれど、6人ならもっと楽しいって感じ。キラメイジャーは最高のチームだなってしみじみ思いますね。