日本コカ・コーラは、麦茶の新ブランド「やかんの麦茶」を4月26日に発売することを発表した。また、2月22日にはオンライン発表会が行われ、新商品のコンセプトや拡大する麦茶市場の動向について解説が行われた。

急速に伸びる麦茶市場

日本コカ・コーラ株式会社 マーケティング本部 ティーカテゴリー 麦茶ブランド担当マネジャー 竹井仁美氏によると、麦茶市場の直近10年の平均成長率は16%増と大きく伸びているという。伸長の理由として、熱中症対策を意識して麦茶を飲むようになったこと、商品の選択肢が増加したこと、そしてペットボトルの増量化によりお得感が出てきたことの3つをあげた。また麦茶ユーザーの飲用実態について分析をすると、20~30代で最も飲まれる無糖茶は麦茶という結果も出ている。

  • 発表会では、日本コカ・コーラ株式会社 マーケティング本部 ティーカテゴリー 麦茶ブランド担当マネジャー 竹井仁美氏が登壇した

ここ近年、麦茶は暑くて喉が渇いた時だけでなく、日常的な水分補給や食事時など飲用シーンが拡大しているという。実際に、麦茶の販売金額の5年平均伸長率を見ると、春夏期(5~9月)は9%増のところ、秋冬期(10~4月)は13%増となっている。止渇ではなく日常的に飲まれていることから、余計なものがないシンプルさ、親しみやすい素朴感・安心感といった基本価値が支持されているそうだ。

また消費者の声をヒアリングすると、「ペットボトルの麦茶は選択肢が限定的」「パッケージデザインが自分向きではない」といった意見が出ており、さらにコロナ禍の影響もあって健康的な食生活の意識も高まっている。こういった状況に、新しい麦茶製品の機会があったと竹井氏は商品開発のきっかけを解説した。

ひと手間かけた「やかんの麦茶」

今回発売する「やかんの麦茶」のコンセプトは「ひと手間かけて丁寧に淹れられた麦茶」。「やかんで煮出した麦茶」のような本格的でしっかりした味わいと、すっきりとした後味が特徴だという。昔ながらの砂焙煎と熱焙煎という2つの焙煎法で麦茶らしい香ばしさと甘さを併せ持つ大麦ブレンドを実現、さらにコカ・コーラ社独自の高温煮出し製法でコクや香りをプラスし、大麦エキスを加えて麦茶の味わいや香りに深みを与えている。食事や一息つきたい時など、どんなシーンでも飲んでほしいとのこと。

また、パッケージはぬくもりや懐かしさを感じつつ、どこか新しいデザインに仕上げている。日本ならではの丁寧な仕事や品質感を暖簾のモチーフで表し、カラーは棚に並んだ時の視認性も考えて、日本の伝統色である浅葱色(あさぎいろ)を採用した。

容器サイズは、チャネルに合わせたラインナップを展開する。コンビニエンスストアでは、ゴクゴクと麦茶に飲みたい人にちょうど良い650ml、そして950mlを展開して家庭内での飲用を獲得。スーパー・オンラインは650mlと2l、自動販売機では600mlを販売する。