俳優の藤木直人、吉岡秀隆、女優の松雪泰子らが、広瀬すず主演のテレビ朝日系スペシャルドラマ『エアガール』(3月20日 21:00~)に出演することが20日、明らかになった。

  • 出演が発表された藤木直人、松雪泰子、吉岡秀隆=テレビ朝日提供

史実をベースに、どこまでもひたむきに激動の昭和を駆け抜けた戦後初のCA(キャビンアテンダント)=“エアガール”の佐野小鞠を広瀬が演じる同作。

今回は、小鞠ら若い世代を導く大人メンバーのキャストが一気に発表された。藤木、松雪、吉岡のほか、田中哲司、鶴見辰吾、真飛聖、橋爪功という錚々たる名優たちが『エアガール』の世界をがっしりと支える。

藤木が演じるのは、終戦後、吉田茂首相の右腕としてGHQと渡り合い、新憲法の制定にも関わった実在の人物・白洲次郎。生き様や美学から“元祖ダンディー”とも評される白洲だが、本作では小鞠たちとは相対する“大きな壁”として登場する。

小鞠の叔母であり、料亭の女将でもある佐野千代役には松雪。千代は、家族を失った小鞠を引き取り厳しくしつけるが、その根底には深い愛情がある。吉岡は“戦後日本航空事業の父”と呼ばれる実在の人物をモデルに作り上げたキャラクター・松木静男を。「日本人の手に日本の空を取り戻したい」という熱い信念を抱き、不屈の精神で邁進する男だが、どこか温かみも感じさせる人物だ。

さらに田中が「日本民間航空」設立に向けて尽力する柳沢誠二、鶴見がその初代会長に就任する藤原一郎を力演し、日本の空の自由を切り拓くために心血を注いだ熱き男たちを体現。真飛は柳沢の妻であり、エアガールたちを温かく見守る立場の美代子を演じ、橋爪は現代のシーンに登場する謎の老紳士役で出演する。

藤木、松雪、吉岡が、自身の役と広瀬について印象を語った。

■藤木直人

――オファーを受けたときの心境を教えてください。

まさか、自分が白洲次郎さんを演じることになるとは思ってもいませんでした。みんなが憧れる日本のヒーローでもあるので……。この作品に描かれているのは白洲次郎さんの一部分ではありますが、撮影に入る前には白洲さんについて書かれた文献や映像に触れたり、旧白洲邸の“武相荘”を訪ねたりと準備をしました。

――広瀬さんとはNHK連続テレビ小説『なつぞら』(19年)以来の共演となりますが。

勝手ながら僕はもうすずちゃんの父親だと思っているので(笑)、久々に再会できてすごくうれしかったですね。一緒のシーンはほとんどなかったので、この作品の中ですずちゃんがどんなお芝居を見せてくれるのか、いち視聴者として楽しみにしています。

■松雪泰子

――千代を演じる上で心がけたことを教えてください。

私が演じる千代はもともと芸者さんだったのですが、戦後すべてを失って、料亭の女将として生きはじめるんです。戦後の混乱の中、したたかさを持ちながら力強く生き抜く女性という印象ですね。家族を亡くした小鞠をなんとか守らなくてはという思いを持っていて、彼女に対する厳しさは“愛情”。力強さと快活さ、そしてある種の威厳が出るように意識し、時には思いきり厳しく言葉をかけたり……と、緩急を大事に演じました。また、元芸者なのでそこはかとない色っぽさも出せればと思いました。

――姪の小鞠を演じた広瀬さんの印象は。

お芝居に対してとても誠実で、丁寧に演じていらっしゃるなという印象です。シーンで相対している間中、彼女の中に小鞠という存在がしっかり流れていて、それが感情としてしっかり伝わってくるので、一緒にやらせていただいていてとても楽しい時間でした。

■吉岡秀隆

――出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

僕が演じた松木は日本の空を取り戻そうと奮闘した男ですが、こういう方が存在したことを知らなかったので、本当にすごいなと思いました。白洲次郎と対立する役柄なのですが、実は僕、白洲次郎が好きなんですよ(笑)。でも松木と白洲次郎が、それぞれ違う意見を抱きながら日本の未来を思っていた……という構図がとても面白いなと思いますし、コロナ禍だからなおさら、かつてこういう人物が日本に存在したことを知り、うれしく思いました。

――主演・広瀬さんの印象は。

シーン中、演技でアイコンタクトを交わしただけで、きちんとお芝居を見ている方だなとわかりました。撮影の合間は何気ない会話を交わしたぐらいですが、芯がしっかりしている方だなと感じました。