TikTokをきっかけに注目を集め、2018年にはファッション誌『Popteen』レギュラーモデルを経て、専属モデルに。現在18歳の莉子は同世代からの絶大な支持とSNS発信力を軸に、昨年には恋愛リアリティー番組『月とオオカミちゃんには騙されない』(ABEMA)や映画『小説の神様 君としか描けない物語』への出演など、新たな領域にも果敢に挑んでいる。

SNSのフォロワー数は影響力の指標である一方、『Popteen』モデルとしてデビューした頃には思わぬ余波もあったという莉子。TikTok130万人、Twitter30万人、Instagram68万人のフォロワーの中心地で、彼女は何を思いながら生きてきたのか。昨年末にスタートしたSpotifyオリジナルポッドキャスト番組『莉子のよくばりホームルーム』(毎週木曜18:00配信)の収録現場で、過去に乗り越えてきた挫折、そしてSNSと共に歩んできた軌跡を追った。

  • 『Popteen』モデルの莉子 撮影:島本絵梨佳

■SNSを始めた時から「同じ目線」

――「声を届けること」が夢の1つだったそうですね。

YouTubeや他のSNSをやらせて頂く中で、自分の声については「低い」という印象くらいで特に何も思っていなかったんですが、ファンの方から「声がすごく良いね」「ずっと聴いていたい」とコメントを頂くことが多くて。自分の新しい一面の気づきにもなって、そうやってたくさんの方に言って頂ければ言って頂くほど「そこを仕事に生かしたい」と思うようになりました。身近にいる家族や友達から言われることはあまりなかったので、ファンの方々の反応は新鮮ですごく嬉しかったです。

――番組名(『莉子のよくばりホームルーム』)には、どのような思いが込められているんですか?

実は私、結構欲張りな部分があって(笑)。大学の授業で「自分の良いところと悪いところ」について書くことがあって、自分では分からないので親や友達に聞いたことがありました。そこでよく言われたのが、「良いところは欲張り」。「欲張り」とだけ聞くとマイナスなイメージがあると思うんですけど、「視野を広げていろいろなことにチャレンジ」という見方もできますよね。自分のそういう部分を伝えてみなさんの視野も広げるきっかけにもなったらいいなと思って、『莉子のよくばりホームルーム』にしました。

――リスナーからの悩みに応えるコーナーも。

YouTubeでもお悩み相談企画はやったりもしてるんですけど、ファンの子から頂いた悩みに対しては「国民を代表して私が!」という感じではなく、学校の友だちだと思って話していて。ポッドキャストでも同じような感じで答えていけたらいいなと思います。

――ポッドキャストについて、「『声』で伝えるポッドキャストは、等身大の自分をより素直に表現でき、リスナーと共感しあうことができる」ともおっしゃっていましたね。「等身大」はいつも意識されているんですか?

自分が日常でやっているSNSで自然と出すことができていて、もちろんイベントとかも私の等身大を感じてもらえる場だと思います。例えば、リプやコメントも「久しぶり」と返したりとか。「同じ目線」はいつも心掛けていることというよりは、無理に意識しているわけでもなくて、SNSを始めた時から自然とそうなっていました。

――高校生の時に使っていたTikTokがブレイクのきっかけになったそうですね。最初は何気ない投稿?

そうです! 最初は音楽に合わせてとか、TikTokらしい動画を上げてたんですけど、ある時から高校生の日常を切り取った動画が流行った時期があって、メイクをキメてやったりするよりそういう自然体の方が自分には合っているんじゃないかと思って、ノーメイクで普段の制服姿をアップしたら、それがみなさんに知って頂くきっかけになりました。

――フォロワーが急増して注目度が高まることに対して、「怖い」と感じることはなかったんですか?

SNSに対して「怖い」と思ったのは、最初に始める瞬間だけでした。初めて使ったのは、中学生の頃。その時に親から使い方やどれだけ危険なものなのかをたくさん教えてもらったので、恐怖心があったというか。TikTokでたくさんフォローしていただくようになってからは、外で声を掛けられることも増えてそこは怖さは感じなくて、とにかくうれしい。最初は、名前は呼ばれずに「TikTokやっている子ですよね?」みたいな感じでした。