今回のようなナレーションをはじめ、声の仕事も多い本仮屋だが、「『ザ・ノンフィクション』は、“ナレーションとはこうあるべき”というのを学んだ場所なので、そういう番組でまたお仕事できたのがうれしかったです」と笑顔。
「私のフォーマットは『ザ・ノンフィクション』で出来上がりました」とまで語るが、具体的に学んだことを聞くと、「ナレーターとしてどういう目線で読むのかということを教えてもらったのはすごく大きかったです。視聴者と出てる人の橋渡しというのはもちろんなんですけど、例えばご家族の話だったら“家族の一員”として読むのか、“家族の知り合い”くらいで読むのか、それとも“女優・本仮屋ユイカ”という視点で読むのかという距離のとり方。それは女優として人を演じる職業の私にとって、すごく入りやすかったですし、その視点を自分の中で想像することで、より自分事としてドキュメンタリーの方たちを愛するというのが大きな学びでした」と教えてくれた。
■自分からニュアンスや読み方を提案
それを踏まえ、今回の読みは「本当に難しかったです。見ている人にとって楽に聴けることが一番大事だと思うんですよね。聴きやすいというのもそうだし、リラックスしてしゃべってくれるっていうのもあると思うし、番組を見て熱くなっている気持ちと同じような声がくることも気持ちよさにつながるし…」と悩んだそう。
収録中には、本仮屋からニュアンスや読み方などを提案する姿があり、「楽に聴けるポイントというのを、スタッフの皆さんと探れたかなと思います。すごく充実した時間でした。楽しかったです」と手応えがあった様子だ。
また、今回担当する大里正人ディレクターは、本仮屋が極寒のカナダを旅した『本仮屋ユイカ オーロラに恋して』(2009年放送)も手がけており、「恩師の先生にちゃんとできるところを見せなきゃいけないという不思議な緊張もありました(笑)。読みながらも(涙が)こみ上げてくる場面が何度もあったので、無事に終わってホッとしてます」と心境を吐露していた。
●本仮屋ユイカ
1987年生まれ、東京都出身。99年『わくわくサイエンス』(NHK)で芸能界デビュー。01年のドラマ『3年B組金八先生』(TBS)などの演技で注目を集め、05年NHK連続テレビ小説『ファイト』のヒロインに選ばれる。映画・ドラマのほか、『王様のブランチ』(TBS)で情報バラエティのMCも担当した。現在は『林修のニッポンドリル』(フジテレビ)や『Sparkle Life』(TOKYO FM)などに出演し、昨年はYouTubeチャンネル『ユイカのラジオ』を開設。今年は映画『しあわせのマスカット』の公開が控える。