「おはようも死にたいもなんでもDMして下さい、返します」。そんなドキッとする紹介文が添えられたツイッターのアカウントには、1日100通を超えるメッセージが届くと言います。運営しているのは、ある高校3年生・17歳の女の子です。

ツイッターで話題の人にお話を聞く本企画。今回は、フォロワー1.1万人(2020年12月時点)のインフルエンサー・雨谷葉さん(@_89c3eb__)にお話を伺いました。

  • 雨谷葉さん(@_89c3eb__)

オーディションプロジェクト「ミスiD 2021」への応募をきっかけに、各種SNSをはじめたという雨谷さん。現在はツイッターだけでなくTikTokのフォロワーも2.3万人を超えるまでに成長しました。

雨谷さんはご自身が心の病を患った経験を元に、「みんなの心の居場所に少しでもなれるように」という思いからSNSの運用をされているそう。今回は、自己表現をはじめたきっかけや、今後について聞いていきます。

本当の私を知ってほしい

――SNSで多くのフォロワーから支持を得ている雨谷さんですが、このような自己表現の活動をはじめるきっかけはありましたか?

「私は元々、16歳の時からコンセプトカフェ(注:メイドカフェのように特定のコンセプトを掲げて運営するカフェのこと)で働いていました。その時は自分の暗い部分は出さず、明るくて、人生が楽しそうな高校生の女の子としてふるまっていました。お客さんもそんな私を好きだと言ってくれていました。

ただ、どれだけ好きだと言われても、それは“偽りの自分”の姿。嬉しいという気持ちよりも、『本当の私を知ってほしい』『こんなの全然私じゃないのに』という気持ちが強くなるばかりで……。だんだんとそのお店で働くことが苦しくなってしまって、勤務中にパニック障害の発作で倒れてしまうこともありました」。

――評価されているのが本当の自分ではない、という葛藤が生まれてしまったんですね

「そんなことがあって、『自分の暗い部分も知ってもおう』と決めて、ありのままを受け入れてくれるミスiDに応募しようと決めました。それが、他のSNSを始めたきっかけでもあります」。

雨谷さんの「今日も生き延びようね」という日々のツイートには、「今日も生きるよ」「生き抜こうね」「とりあえず生きます」と多くのリプライが寄せられます。

――noteでは特にご自身の内面や本音を詳しく語られているなあと。心の病を患っていたことについても書かれています。そして、ツイッターでは、ご自身の本音だけでなく、苦しく生きる読者の皆さんに語りかけるような文面がとっても印象的です

「心の病気を経験したことがないと伝わりにくいかもしれませんが、『生きていたい』と思っていても、脳が誤作動のように急に『死にたい』とい気持ちを強めて制御が効かなくなることがあるんです。これは、何の前触れもなく突然起こってしまうことなので、毎日毎日『明日は誤作動してしまわないかな、大丈夫かな……』と心配になってしまうことが多いんです。

同じ思いをしている人たちからすれば、未来のことより今日1日をなんとか生き延びて、また明日を迎えることができるのかが不安でしかたがない、そして、そういう思いをしている人の多くは、独りで悩んでしまっていると思います。

実際に一緒にいることはできなくても、心でつながることでそれが居場所になり、救われることもきっとあるはずなので……。みんなの心の居場所に少しでもなれるようにとそのようなツイートをしています」。

――ツイートだけでなく、DMを積極的に返信することを表明しておられますよね。フォロワーが1万人を超えると、かなりの数のDMが来ると思うんですが……?