全てにおいて、釣りで考えてしまう

――さきほどお話が出ましたが、フリーランスになろうと思った背景は?

本当に正直に言うと、そのタイミングで「芸能も辞めようかな」なんて思っていたんですよ。「ある程度、自分のやりたいことをやっちゃったかな」みたいなところがあって。そこまで志が高くなかったので(笑)、「もういいかなあ」なんて思っちゃって。辞めようと思ったタイミングで、趣味でも始めようと釣りを始めて(笑)。そうしたら、釣りの方でバズっちゃって(笑)。「まだ需要があるならやるかな」みたいな。「フリーでバリバリやっていきたい!!」みたいな感じではなくて、本当に皆さんのおかげでやらせていただいていますって感じです。

――この業界を離れたら、どんな方向に進もうかについては、考えていたんですか?

本当に、何も考えていなかったです(笑)。

――ある意味、釣りに救われたという面もある?

そうですね。なんか、満足しちゃって。ちょうど、レギュラーでやっていた番組も終わってしまったんです。「すごく楽しかったなあ」「次は何やろうかなあ」みたいな、そういう感じだったんですよね。なんだかんだ、釣りでうまくいったというか、応援していただいているので。「じゃあ、見てくれる人がいるならやろうかな」みたいな。そういう感じですね。

――コロナ禍の影響はどんなものでしたか?

グラビア関係のイベントとかは、すごく減りましたよね。釣りも、大きなイベントはなくなりましたし…自粛期間中とかは、もちろん細かい撮影とかもほとんどなくなりましたけど、それ以降は、人数制限をしてイベントを開いたり。あと、釣りは密ではないので(笑)。船を一艇貸切ってファンイベントをやっていたりして、人数制限はしていますけど、そこまで影響はなかったのかなって感じはします。もちろん、対策はしていますけど…人数制限くらいですかね。あとは、釣りのイベントで、いつも釣りから上がった後に、港で皆で軽食みたいなものを食べていたんですけど、そういうのはできなくなりましたね。

――コロナ禍を機に見えたものも、あったのではないでしょうか。

逆に、見えなかった部分が見えるようになったかなというところがあって。コロナでいろいろなイベントができなくなったので、オンラインで、例えばZooMを使って、ファンの方と飲み会をするみたいなことをやったりしていたんですね。それをやったら意外と、今まで地方だからなかなかイベントに行けなかったという方が参加してくれたりとか。意外と、そういうところで喜んでくれる人って、いるんだなと思って。ネットの可能性というか(笑)、そういうものが見えたかなって思います。

――そんな吉野さんにとって、釣り、そしてグラビアとは?

釣りは、本当に今は、人生の勉強みたいなところがあって。けっこう奥が深くて、全てにおいて、釣りで考えてしまうところが、最近は癖づいてしまっています(笑)。例えば、コマセ釣りと言って、撒き餌を撒いて、その撒き餌の中の針を食わせるっていう釣りがあるんですけど、SNSなんかも一緒で(笑)。話題になるようなツイート=撒き餌とかをワーっと撒いて、その中でファンになってくれる方を針に食いつかせるみたいな(笑)。釣りに似ているなあなんて、いろいろ思っちゃうところがあって。全部、釣りに考えちゃうところがありますね。

あとは、新しい餌を使うとか(笑)。例えば、イベントの集客をするとき。まず魚の話なんですけど、魚は餌が新しいかどうかとかを見ていて、新鮮な餌じゃないと食べなかったりするんですよ。SNSでイベント集客をするときに、前にツイートしたイベントの告知をリツイートしても、あんまり人って反応しなかったりするんですけど、新しく「こういうイベントやってます」とか自分で文章を書いて、違う写真とかを載せると、食いついてくれたりするので、「あれ? なんか釣りみたいだなあ」なんて思っちゃって(笑)。「ちゃんと新しい餌を出さないとダメかな」みたいな(笑)。餌なんて言うのは、恐縮ですけど(笑)。

グラビアは…グラビアに出会って本当にいろいろな経験をさせてもらったので、釣りが人生の学びだとしたら、グラビアは人生の基盤みたいな。基礎があって、学びがあるみたいな。本当に、グラビアをやっていなかったら、今の自分はないと思います。

――スカウトで芸能界入りしたとのことですが、グラビアに挑むまでの経緯は?

一番最初は、ユニットで活動していたんですよ。当時はAKBさんとかが、ばんばんグラビアをやるっていう時代だったので、ユニット=グラビアみたいなイメージが私の中にはあって。「グラビアをやるんだろうな」っていう勝手なイメージがあったんです。でも、そのユニットはグラビアをやらなくて、「やらないんだ」っていう拍子抜けから、自分で「グラビアをやりたい」と思ったんですよね。

――グラビアを始めたての頃は、どんな思いがありましたか?

最初はポージングとかもわからないし、どうやってやったらいいんだろう?っていう戸惑いがありましたね。どうしたらいいのかな?って。

――経験を重ねていく中で、グラビアが楽しいと思えたきっかけは?

一番は、ファンの人に喜んでもらえるっていうところですかね。別のアイドルでも一緒なのかもしれないですけど、グラビアって、ファンの方と直接会う機会があるので、直接声が聞けたりとか。あとは、自由度が高いかなと思うところがあって。セクシーに何かを見せるんだったら、干物グラビアだったり(笑)。個性的なグラビアアイドルさんって多いので、そういうところで、いいな・楽しいなと思います。自分なりのグラビアができるっていうのは、グラビアの特徴なのかなと思いますね。

――一度は芸能界を離れようと思っていたとのことですが、現在は将来についてどう考えていますか?

今は、需要がある限りは続けていきたいなと思っています。応援してくださっている方も、すごく多いと感じるんです。あの当時は、レギュラーの番組が終わってしまって、応援してくださっている方の声が聞こえなくなってしまって、ちょっと寂しくなっちゃったところがあったんですよね。今は、直接ファンの方の声が聞けるので、皆さんが応援してくださるなら、それまでは頑張ろうかなと思います。