JR東海は在来線における車掌訓練装置の取替えにあたり、実際の乗務で起こりうるさまざまな複数の事象を輻輳(ふくそう)して発生させる機能などを向上させることにより、ホーム上の安全確保に関する車掌の対応能力の向上を図ると発表した。

  • 車掌訓練装置のイメージ

JR東海では、安全確保のため、乗務員に対して教材を用いた知識面での教育を実施するとともに、実際の車両や訓練装置を用いた実践的な訓練を実施している。今回、車掌訓練装置の取替えにあたり、「実践的で複雑な異常時の再現」「車内モニター、無線機の設置」「模擬ホーム可動柵の設置」「録画機能の追加」といった機能向上が行われたという。

実際の乗務におけるさまざまな異常時を模擬した訓練シナリオ内に、実際の乗務で起こりうる利用者の転倒などの動きのある事象や、ホーム可動柵などの新たな事象を追加するとともに、訓練シナリオ内で最大4種類の事象を輻輳して発生させる機能を充実させる。これにより、複雑な状況を再現でき、実践的で効果的な訓練を行うことで、異常時対応力の向上を図る。

  • 車内モニターのイメージ

車掌が乗務する後部運転台に、実際の車両を模擬した車内モニターや無線機を設置。よりリアルな環境で訓練を行うことができるようになる。ホーム可動柵(2021年3月に金山駅へ導入予定)の模擬装置も新たに設置することで、ホーム可動柵の取扱いに関する実践的な訓練を行うことができるようになる。録画機能も新たに追加し、訓練受講者が訓練指導者とともに、自らの訓練の様子を映像で振り返ることができるようになる。

新たな車掌訓練装置は2021年1月までに、在来線乗務員の職場11カ所に導入予定(ホーム可動柵に関する事象の追加や模擬ホーム可動柵の設置は4カ所のみ)となっている。