映画監督の清水崇監督、成島出監督、白石和彌監督、前田哲監督が22日、都内で行われた「2021年 東映ラインナップ発表会」に出席した。

  • 左から、清水崇監督、白石和彌監督、東映の手塚治社長、成島出監督、前田哲監督

    左から、清水崇監督、白石和彌監督、東映の手塚治社長、成島出監督、前田哲監督

2021年に創立70周年を迎える東映が、来年公開のラインナップ発表会を実施。来年公開される新作は18本の予定で、この日の発表会には2021年2月5日公開の『樹海村』の清水崇監督、2021年5月21日公開の『いのちの停車場』を手掛けた成島出監督、公開日未定の『孤狼の血Ⅱ(仮)』の白石和彌監督と『老後の資金がありません!』の前田哲監督が登壇して作品の見どころなどを語った。

主演の吉永小百合が初めて医師役に挑戦した映画『いのちの停車場』。この日、ビデオレターでの出演となった吉永は「これまで映画の世界で様々な役に扮してきましたが、今回念願が叶って初めてドクターの役をやりました。素晴らしい共演の皆様に助けられて、今医療現場で大変な思いをしていらっしゃる皆様を思いながら新米の在宅医を演じました。皆様に観ていただいて、命のこと、生きるということを語り合っていただけたらとても嬉しいです」とコメント。その吉永と2014年公開の映画『ふしぎな岬の物語』の撮影時から次回作を練っていたという成島監督は「お医者さんをやりたいという2人の思いがあり、ようやくこの原作を発見することができて始めたのがスタートでした」と経緯を明かしつつ、「在宅医療の現場という大勢の先生たちの協力のもとで撮りました。高齢者が多い映画ではありますが、松坂桃李くんと広瀬すずちゃんが未来に向かう明るい希望でとてもユーモラスに演出できたと思います。公開の5月はコロナがどうなっているか分かりませんが、この時代だからこその映画に仕上げていきたいと思っています」と最終段階に力を込めた。

2018年に公開され、第42回日本アカデミー賞で優秀賞最多12部門を受賞するなど大きな話題を集めた『孤狼の血』。その続編となる『孤狼の血II(仮)』は、公開日は未定ながらも来年に公開されることも決定した。前作に続いてメガフォンを執った白石監督は「大上(役所広司)がいない状態でどういう物語を作ればいいのかというのはありましたが、新たに日岡刑事(松坂桃李)をもとに広島の新たな抗争をシンプルに描いた物語です」と作品を紹介し、「ゴールデンウイーク明けに別の作品を撮る予定でしたが、来年に伸びたりしてこんなに休むことはありませんでした。クランクインした時はデビュー作以来の武者震いで、これが撮れたらどうなってもいいという気持ちにもなりましたね。参加したキャストもほとんど同じ思いを持ってくれました」とスタッフキャストが一丸となって撮影に臨んだという。「コロナが明けたらどういう映画をみんなが観たいの? と僕たち映画の作り手は共通して考えていると思います。一つはジャンル映画が可能性を秘めていると思っていて、エンターテイメントとしてとにかく面白い映画がヒットするんじゃないかという思いもあり、魂を削りながら作りました」と作品の出来には自信を見せた。

撮影現場ではスタッフ・キャスト全員が毎日PCR検査や抗体検査を行っていると明かした監督たち。映画『いのちの停車場』の撮影中にはPCR検査によって広瀬すずが新型コロナウイルスに感染したことが判明した。成島監督は「すずちゃんが陽性になりましたが、それは事前に検査ができたのでクラスターが発生しませんでした。検査しなければクラスターになった危険性があり、70歳以上のキャストも多かったので怖かったんですが、すずちゃん1人で止まったのはPCR検査のお陰だと思います」と検査の重要性を実感した様子。続けて「作る側も観る側もきちんとルールを守っていくしかないかなと思います。日本の国民性は海外よりもきちんとルール通りやるところがあると思うので、映画があり続けることを願っていますし出来ると信じています」と期待を寄せていた。