聖剣を手にした勇気ある"剣士"たちが、われわれの住む世界を書き換えようとする邪悪な"本の魔物"メギドに戦いを挑み、人々を救う物語『仮面ライダーセイバー』は、現在テレビ朝日系全国ネットにて放送されている「令和仮面ライダー」シリーズの第2弾である。2020年9月6日の放送開始から3か月が経とうとしている中、初の劇場版となる『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』が12月18日より公開されることになった。

  • 山口貴也(やまぐち・たかや)。1997年生まれ。神奈川県出身。映画『OUT OF THE BLUE~俺の人生無駄ばかり~』(2019年)、AbemaTVのリアリティショー『オオカミくんには騙されない』(2017年)、各社CMなどに出演。趣味はドライブ、スニーカー、特技はサッカー、泡立て。『仮面ライダーセイバー』の新堂倫太郎/仮面ライダーブレイズ役でテレビドラマ初出演(初レギュラー)を果たす。撮影:大門徹

『仮面ライダーセイバー』では、メギドの野望を砕き、人々の平和と幸福を守る使命を帯びた「ソードオブロゴス」に属する剣士たちが多数登場し、それぞれ強い信念と正義感のもとに勇敢な戦いを繰り広げている。

今回は、仮面ライダーセイバー/神山飛羽真(演:内藤秀一郎)と共に力を合わせてメギドの暴威に立ち向かう"水の剣士"仮面ライダーブレイズ/新堂倫太郎を演じる山口貴也にインタビューを行った。幼いころから親がなく、ソードオブロゴスを"家"、剣士たちを"家族"と思って日々鍛錬を積み、誇り高き剣士に成長した倫太郎。さわやかなたたずまいとまっすぐな眼差しが印象的な山口に、『セイバー』の撮影に明け暮れる現在の心境や、個性豊かな"剣士"キャストたちとの交流、そして気になる映画の見どころを熱く語ってもらった。

――『仮面ライダーセイバー』製作発表会見以来のインタビューとなります。放送開始から3か月がすぎましたが、もうすっかり山口さんは倫太郎のキャラクターをご自分のものにされたのではないですか。

飛羽真とソードオブロゴスの剣士が6人そろい、みんなと(演技を)やっていく中で、以前ほど考えなくても周りの雰囲気に合わせた倫太郎が作れるようになりました。今日も芽依役の川津明日香さんとそんな話をしていたんです。現場に入れば自然と役に入りこむことができるようになったよねって。撮影は日によって10時間以上にわたることもありますし、日常生活の中で普段の自分でいる時間より、倫太郎を演じている時間のほうが長くなったりして、今では自分と倫太郎とが一体化しているみたいな感じですね。

――第1章で、聖剣「火炎剣烈火」を抜こうとする飛羽真に向かい「無理だ! 普通のホモ・サピエンスには聖剣は抜けない」と言い放つ倫太郎がファンの方たちの間で話題を呼びました。倫太郎の生真面目な性格が現れた、インパクト抜群の名セリフでした。

最初、台本には「普通の人間には~」と書かれてあったんですけど、柴崎貴行監督(柴崎監督の「崎」は立つ崎が正式表記)と「ここは、人類の学名"ホモ・サピエンス"と言ったら面白いかな」なんて話していたんです。そうしたら、現場で「ホモ・サピエンス」って言うことに決まって「本当に言うのか!」とびっくりしました。シチュエーションとしては飛羽真が人々を救うために"力"を得られるかどうか、みたいな緊迫した場面でしたから、僕も真面目にこのセリフを言ったのですが、カットがかかったら周りのスタッフさんたちから大爆笑されました(笑)。

――濃い目のキャラアピールとして、最高すぎましたね。また、内藤さん、川津さん、山口さんがエンディングでハイテンポなダンスを披露されていますが、ご自身のダンスの出来栄えについてはどう思われましたか?

僕自身はそんなにダンスが得意じゃなくて、どちらかといえば苦手な分野だと思っています。でも、2人(内藤、川津)が上手でしたし、そのおかげで僕もなんとかこなせたかな、という感想です。撮影が始まったばかりというタイミングでダンス練習に入ったのですが、最初から3人のコミュニケーションが取れていて、いい雰囲気で和気あいあいと練習できました。そのうち、お互いの動きをチェックし合ったり、どうやったら動きが揃えられるか話し合ったりしながら、形を作っていきました。

――内藤さんは山口さんを称して、撮影でNGを出してもスタッフさんに笑顔で迎えられるほどの"天性の明るさ"を備えているとおっしゃっていました。普段から生真面目な倫太郎のイメージそのままな山口さんなら、思わず納得してしまいますが……。

セリフでNGを出すことはそうそうないんですけど、たまに"噛んで"しまったときなんかは、すごく周りからウケますね(笑)。普段、倫太郎の芝居は「すごくまっすぐ」だったり「真面目すぎる」感じですから、そんな状態でセリフの言い間違いをするとギャップが大きくて、笑いを誘うんじゃないかと思います。NGを出したときは監督や、側にいるメイクさんや衣装さんまで笑ってますからね。ミスをした!と思った僕が「ヤバいヤバい、どうしよう!」なんて慌てている姿が、どうも面白いみたいですね。倫太郎がテンパってるぞ、って感じで(笑)。