今年はリモートワークが急速に普及した1年だった。怪我の功名ではあるが、結果的に時間の融通もつけやすくなり、空いた時間を副業に当てたいと考える人も目に見えて増加している。
マイナビが今年行った「コロナ禍における就業状態の変化に関するレポート」というアンケート調査によると、就業中の回答者(n=9,546)のうち、43.9%が今後「副業・兼業をしたい」と回答。その理由としては、「生活費や学費など生計維持のため」を筆頭に、「新たな知識や経験を得るため」「自分自身の知識や能力を試してみたい」など、アグレッシブなものが目立つ。
働き方改革も進む中で、実際に副業を解禁する企業も続々と出てきている。やはり来年以降もリモートワーク、そして副業は大きなトレンドとして注目度が増していくだろう。この流れに乗り遅れるのは、実にもったいない。
そこで今回は、オンラインで完結する新しい副業を厳選してお届け。すべて自宅で取り組めるものをセレクトしたので、さっそく空いた時間にトライしてみよう。
撮った写真を素材として提供する「PIXTA」
「ストックフォト」というサービスをご存知だろうか。簡単に言えば、自分で撮った写真などをウェブ上で販売することで、その作品は広告や雑誌、WEBサイトなどでイメージ写真として使われるケースも多い。
ストックフォトの代表例は、国内最大級の画像素材サイト「PIXTA」。写真だけでなく、動画やイラストも販売できる。
流れとしてはまずクリエイターとして会員登録し、著作権・肖像権などについて学ぶための入門講座を受講。その後の入門テストに合格すれば、写真素材等のアップロードが可能となり、素材が無事に審査を通過すれば、いよいよ販売スタート。
素材が購入されると「クレジット」をゲットでき、10クレジット以上貯まると「1クレジット=110円」で現金に交換できる。始めは毎月数十円〜百円単位の売上を覚悟しなければならないが、本気で取り組んでいるクリエイターの中には、月々100万円以上の収入を得る人もいるというのだから夢が広がる。
稼げるようになるコツは、何より楽しんで継続すること。そして、世の中の需要や時流を読むこと。コロナ禍の今であれば、例えば自宅時間を充実させるためのアイテムや過ごし方、マスクをした生活にまつわる情報がイメージできる写真や絵に需要が見込めるかもしれない。時勢やトレンドを把握しながら、トライ&エラーを楽しもう。
空いた時間でライブ配信! 「17LIVE(イチナナ)」
「動画で副業」といえば真っ先にYouTubeが思い浮かぶだろう。しかし、同じ動画でも「生配信」ならどうか。最近はネットでライブ配信をする、通称「ライバー」がすごい勢いで増加中。なかでも台湾発のライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」はプラットフォームとしてひときわ高い注目を集めている。
「17LIVE」はライブ中に視聴者から「ギフト(投げ銭)」を送ってもらうことで、それに応じた報酬が配信者に支払われる仕組みを採用。また、毎日多数のイベントが開催されており、イベントで上位になることで様々なプライズ(賞品)をもらうことも可能。プライズは報酬に繋がるものだけではなく、雑誌やテレビへの掲載・放送権利や、声優やモデル等のオーディション出演権など、多岐に渡る。
「17LIVE」の運営会社が今年6月1日から8月31日にかけて行った調査によると、「17LIVE」内で月6万円以上の報酬を得ているライバーは8,430人。前回2月〜4月に行った調査では4,206人だったので、このコロナ禍の影響で倍増した計算になる。ちなみに、月3万円以上の報酬を得たライバーは12,303人で、こちらも前回調査から約2倍に成長しているのだとか。
空いた時間を使って、スマホ一台でこれほどの副収入が得られるなら、大いに試してみる価値はある。人気アプリなだけに、ライバルも多いだろう。しかし、認知度も高いので、チャンスは十分にありそうだ。巧みなトークやゲーム実況、ファッション披露など、個性を活かしてファンを獲得してほしい。
スマホケースをデザインして販売できる「オリラボマーケット」
新型iPhoneが登場し、さっそくさまざまなメーカーやファッションブランドもケースの生産・販売を開始した。それでも好みのケースがまだ見つからず、とりあえず透明のケースに入れて本命の登場を待つという人も大勢いる。新作が発売されるたびにこうしたジレンマが繰り返されてきたが、最近は少し事情が変わってきたようだ。
日本最大級のオリジナル商品制作プラットフォーム「オリラボ」は今年7月、スマホケースやオリジナルグッズをデザインして販売できる「オリラボマーケット」のサービスを始動。初期費用0円でオリジナルのスマホケースを作成し、販売できる。
その仕組みは実に簡単で、自分でセレクトした写真や、自らがデザインした画像やイラストなどをオリラボにアップロードするだけ。受注生産なので、デザインを気に入った人が購入を決めれば、そこから生産が開始される。無駄な在庫を抱えることもないので、仮に売れなくてもダメージはない。
iPhoneだけでなく、AndroidのスマホケースやTシャツ、バッグ、モバイルバッテリー、マグカップ、タオル……などなど、選べるベースアイテムは600種類以上。利益については、例えば原価が1,370円の手帳型スマホケースを3,000円で販売した場合、手数料30%を差し引いた1,141円が売り上げとして計上される仕組みだ。
一度大当たりすればリターンも大きいし、継続的にアイテムを作って、コツコツと利益を積み上げるのもいい。まずは自分の作りたいスマホケースを作って、練習してみては?
本業のキャラクターが武器になる「週末モデル」
女性のキャリア支援をすべく2017年12月に誕生したサービス「週末モデル」も、時代に合わせて進化を続けている。
週末モデルは「私らしく働く自由」をコンセプトに、"複業"でモデル活動をする女性と、リアルで身近なモデルを探す企業を結ぶキャスティングサービスだ。現在は本業を持つ女性約5,000名が登録し、利用企業も約1,500社にまで拡大している。
モデル登録料は無料だから気軽にチャレンジできる。報酬の配分も70%がモデル、30%が運営会社と、決して悪くない。報酬は仕事内容によって異なるが、一回で数万円程度の報酬が得られる仕事も少なくないという。長期にわたるものであれば、数百万単位の案件もあるのだとか。
今年5月には新サービス「リモフォト」をスタート。企業がモデルに商品を送り、モデルは届いた商品を身に着けて自撮りした後、データを企業に納品するシステムだ。非対面のフルリモートで完結できるので、モデルも企業も安心して仕事ができる。
個性に応じてさまざまな案件があるので、必ずしも容姿端麗でなければならないということもない。むしろ、看護師や調理師、キャリアウーマンなど、本業のキャラクターが自然に活かせる案件もある。モデルというとハードルが高く感じるかもしれないが、未経験者もバリバリ活動しているので、安心してトライを。
思うように外出もできないこのご時世。せっかく自宅時間ができたなら、これをチャンスと捉えてスキルアップを目指してみよう!